【脂肪腫とは?】ブヨブヨのコブが背中や顔にできたら要注意!放っておくとどうなる?手術をした方が良い症状も解説します!

「脂肪腫」という病気を聞いたことがありますか?肩や首にゴム状のしこりができたら、脂肪腫の疑いがあるかもしれません。ただのできものだと思いがちで、見落としやすい疾患でもあります。脂肪腫が発生しやすい身体の箇所や症状、またペットでも特に掛かりやすいと言われている、犬の脂肪腫についてもまとめました。

脂肪腫のすべて

皆さんは、「脂肪腫」という疾患があることを知っていますか?

肩や首、背中などにゴムのような、ブヨブヨとした触り心地のコブができた。痛くはないんだけど、何だか日に日に大きくなっているような気がする…。痛くないとしても、コブができるなんて異常ですよね。そんな時は、「脂肪腫」を疑った方が良いのかもしれません。

また、脂肪腫は人が掛かるだけでなく、犬も掛かりやすい疾患の1つなのです。可愛がっているペットに、何だかぽっこりとしたコブが見つかって、病院で見てもらったら脂肪腫だったという人も多いのではないでしょうか。

脂肪腫になると、すぐに病院に行った方が良いのでしょうか?また、コブも取ってしまった方が良いのでしょうか?できたコブはがんのようなものなのでしょうか?命の危険は?

見た目だけでは判断ができない脂肪腫について、それが何であるかをまとめました。脂肪腫について、正しい理解を得ましょう。また、脂肪腫とよく似た特徴を持つ、その他の疾患についても触れましたので参考にしてみてください。

脂肪腫とは?

40〜50代の女性に多い疾患

まずは、「脂肪腫」が何かについて知ることにしましょう。脂肪腫に最も掛かりやすい年代はあるのでしょうか?

脂肪腫に掛かりやすい年代は、40〜50代が比較的多いのだとか。また、性別でも違いがあり、男性よりも女性の方が多く脂肪腫になる人が見られるのだそうです。もちろん男性が脂肪腫になることもありますが、女性の方が掛かりやすい傾向にあるようです。

40〜50代の、しかもなぜ女性が脂肪腫に掛かりやすいのか、はっきりとした原因は分かっていません。脂肪腫に掛かると言われている原因を、後にまとめているのですが、それらの要因を女性の方が受けやすいのかもしれません。

皮下組織にできるしこり

脂肪腫は、一体どんなものなのでしょうか。脂肪腫とは一言でいうと、皮下にできる腫瘍のことを言います。腫瘍と言うと「癌なの?」と驚いてしまうかもしれませんが、腫瘍にはもともと癌と言う意味はなくて、「腫」=腫れた「瘍」=できもののことを言います。腫瘍には良性のものと悪性のものがあり、脂肪腫は良性腫瘍として知られています。

脂肪腫を触ってみると、弾力性があって、柔らかくブヨブヨとしています。また、黄色みを帯びていて、形はなだらかな曲線を描くように盛り上がっていたり、小さいものだと、できものが大きくなったように見えるとか。そして、脂肪腫の大きさはピンからキリまでです。

ほとんど目立たない程度のものから、場合によってはバレーボール大(!)の大きさになることもあると言うことです。小さい場合は気にもなりませんが、あまりに大きくなってくると、さすがに気になってきますよね。また、それは日々大きくなり続けるのです。

脂肪腫をずっと放っておいて、10センチ以上の大きな楕円になると、手術で摘出する時も大変になるので、脂肪腫が小さいうちから摘出した方が良いという声もあります。

ほとんどが良性腫瘍

いきなりコブを発見すると、何かの悪い病気なのではないか、もしかして癌なのではないかと心配になります。しかし脂肪腫の場合は、ほとんどが良性腫瘍だそうで、深刻な処置が必要なパターンは、ごくまれです。

従って、コブを見つけたからと言って、早急に病院へ行かなければならないわけではありません。また、5センチ以下の小さなものであれば、日常生活にもさほど影響はないでしょう。コブが小さいうちは、心配しすぎる必要はありません。

悪性腫瘍の場合もある

脂肪腫は良性腫瘍が多く、放っておいても問題はありません。ただ、同じようなコブの中には、大きくなって行く過程で、悪性腫瘍に変わってしまう可能性も否定できないのです。

脂肪腫はややこしいことに、見た目でそれが良性腫瘍か悪性腫瘍かの判断はできません。病院で検査を受けて、腫瘍を摘出する時に、病理検査で良性か悪性かの判断をしてもらうしかないのです。良性腫瘍だと思って放置しておいたら、実は悪性腫瘍だった…ということにもなりかねないのです。

悪性腫瘍である場合は、「脂肪肉腫」という名前に変わり、コブを外科手術で摘出することが必要になります。

脂肪腫のできやすい部位

脂肪腫には、できやすい部位というものがあります。それらのパーツを見ていきましょう。まずは「顔」ですが、顔は比較的目につく場所でもありますから、早期発見につながることが多いようです。

身体の中でも目立つ部位という理由から、脂肪腫が顔にできた場合は、たとえ良性でも手術でコブを摘出する人が多いようです。コブが大きくなってしまうと、顔の形そのものも変わってしまいかねませんから、これは納得できますよね。

次に、首に脂肪腫ができるパターンです。首の付け根にコブができたり、鎖骨に添うようにできる人もいるそうで、着る服によっては目立つことがあります。身体の部位の中では、とても発症率の高い部分でもあるようです。

首に脂肪腫ができると、シャツなどの襟がある服の場合、コブの部分が擦れて痛いと感じる人もいるようです。このように、日常生活で痛みを伴うと辛いですよね。その場合は、たとえコブが小さくても除去手術を受ける人もでてきます。

肩にできる脂肪腫も、多く発症する部位の1つです。肩の脂肪腫に関しては、コブが小さいうちはそんなに影響はないでしょう。ただ、コブが大きくなるとそうもいかなくなるので大変です。

薄手のTシャツなどを着た時に、その部分だけ盛り上がって見えたり、ショルダーバッグの紐を肩に掛ける時には、引っかかる感じがすることもあります。

肩でも、どの辺りに脂肪腫ができるかで生活に支障が出るのです。

背中

脂肪腫の中でも、最も発症が多いと言われているのが背中です。脂肪腫は、もともと痛みも伴わないので、背中になだらかなコブができても、困ることはほとんどないと思われます。

しかし、コブがどんどん成長していく過程で、仰向けになった時に違和感があるとか、あらゆる生活の場で不便に思えてくることは考えられます。

また、背中は自分で見ることができないので、脂肪腫ができていたとしても確認するのが遅くなりがちです。自分で気付いた時には、相当大きくなっていた…なんてことも。小さな脂肪腫でも、コブを確認したら家族の人が積極的に教えてあげると良いでしょう。

お尻

脂肪腫ができやすい部位、最後に紹介するのはお尻です。こちらも、最初はにきびくらいの大きさから始まるので、できものか何かかな?と思う人が多いようです。また、脂肪腫のしこりが広範囲に及ぶ場合も、もともとお尻には脂肪がたくさん付いているので、発見が遅くなることもあるのでしょう。

お尻の部分だと、背中同様自分では見えませんし、またお尻という部位なだけに、ちょっと恥ずかしくて他人に聞くこともためらってしまいます。触ってみた感じでどんどん大きくなる、気になってしょうがないという場合は、知人に聞くよりも病院を受診した方が安心できるかもしれません。

脂肪腫の症状

痛みやかゆみはない

続いては、脂肪腫の症状や特徴についてまとめていきます。脂肪腫はコブのように突起した状態になりますが、良性も悪性も、かゆみや痛みがないのが特徴です。コブが良性であれば問題ありませんが、それが悪性であれば、痛みがないことが発見を遅らせる要因にもなります。

かゆみが生じる場合は、もしかすると、本当ににきびなどの吹き出物なのかもしれませんし、その他の似た皮膚疾患が疑われます。痛みやかゆみがなくても、悪性腫瘍の可能性があるわけですから、痛くないからといって安心せずに、コブのサイズが大きくなってきたり、何か異変を感じた場合は受診した方が良いでしょう。

ゴム状のような感触

脂肪腫は、ほとんどが皮下組織にできる脂肪の塊。脂肪が皮膚の下に塊となっているだけなので、触れた感じは、ゴムを手で押さえたような感触と似ているのだそうです。脂肪ですからブヨブヨと柔らかく、痛みも全くありません。

触ると硬かったり、ゴリゴリした感じであれば、その他の病気が疑われる可能性もあります。

ゆっくりと成長する

脂肪腫の人は、日に日にコブが大きくなるのに恐怖を感じ、病院へ行くパターンが多いようです。吹き出物くらいの大きさであればそうでもありませんが、たんこぶのようにどんどん大きくなっていくと、やはり心配になりますよね。

脂肪腫の一般的な大きさは、1〜3センチ程度。そのままの大きさで長年留まっているコブもあれば、少しずつ大きくなるコブもあります。大きさの変化に気付くのは、およそ数ヶ月経った頃が最も多く、放っておいても小さくなることはありません。

また、残念なことに脂肪腫は自然になくなるということはないそうで、放っておいたらじきになくなるかも、という考えは捨てた方が良いでしょう。自然治癒はありえません。

脂肪腫の原因

染色体の異常

脂肪腫の原因については、ハッキリとしたことが分かっていないのが現状です。現に、お医者さんのホームページをのぞいて見ても、ほとんどのホームページが病態や治療法についての記載に終始しているのみで、原因について触れられている所はほとんど見当たりません。

原因不明の疾患と言うとすぐに遺伝との関係が疑われますが、確かに親が脂肪腫の子供に脂肪腫が見られることはあるにはあるそうです。ただ、病気と言うものはすべからく、遺伝的要因に環境要因が組み合わさって起こるものなので、一概に遺伝だけのせいにすることはできません。

外傷

脂肪腫ができるきっかけは、ほとんどの場合が無意識のうちにできていた、というくらい知らないうちにコブができていることが多いのだそう。しかしそれ以外にも、ケガをしたり手術を受けたことがきっかけとなり、後に脂肪腫ができてしまうこともあるそうです。

ストレス

染色体の異常が、主な脂肪腫の原因と強く言われている中で、もう1つ同じくらいの要因で挙げられているのが、「ストレス」による発症です。

ストレスを溜め込むことで脂肪腫ができたり、脂肪腫が大きくなるというような、直接的な原因は分からないようですが、過度なストレスを抱えている人に脂肪腫ができることが多いと分かっています。

ストレスが原因で、あらゆる病気になるリスクがあることはご存知でしょうが、このように脂肪腫となって、身体にコブができることもあるなんて、ストレスがもたらす弊害は実に甚大ですね。

脂肪腫の治療について

何科に受診すべきか

○皮膚科、または形成外科に

脂肪腫ができると、どこを受診したら良いのか迷うところですが、コブが皮膚の下にできるため、皮膚科を受診するか手術の可能性もあるので、形成外科が良いでしょう。

一度医師の診断を仰いで、脂肪腫のサイズなどによっては、そのままにしておいても良いパターンと、できるだけ早めに取り除いた方が良いかが分かります。小さいうちは、様子を見ても良いと思いますが、少しずつ大きくなっていると感じる場合には、早めに受診した方が良いかもしれません。

また、近所に皮膚科や形成外科が見当たらない場合もあるかもしれませんが、まずは掛かりつけの先生に診てもらって、良い病院を紹介してもらってはいかがでしょうか。

摘出手術

○まずは医師の診断を仰いで

一般的な脂肪腫の摘出手術は、医師の診断を受けてから、手術をすべきものかどうかが分かります。しかし、とても目立つ場所に脂肪腫ができているとか、脂肪腫ができていることで生活に支障がきたすなどの場合は、脂肪腫が小さい段階でも摘出手術を受けることができます。

脂肪腫で手術を受けた人たちの意見では、手術を受けるならば、脂肪腫が小さい段階で摘出するにこしたことはないのだそうです。それは、脂肪腫が小さければ小さい程、手術による傷口も小さくて済むからです。

また、傷が小さくて済むと、回復も早く、後々目立ちにくいのでおすすめなのです。逆に相当大きくなるまで手術を遅らせていると、手術も大掛かりになります。傷も広範囲になりますし、術後の回復もより時間が掛かるでしょう。

脂肪腫が小さくなったり、なくなったりすることはありませんから、目立つ場所にできているならば、どちらにせよ手術することになると思われます。ならば、早く手術を受けておきましょうということです。

手術中は、ほとんどの脂肪腫切除の場合、局所麻酔をするので痛くはありません。また、1センチ程度の脂肪腫であれば、手術しても翌日には痛みはほとんど感じないとのことです。

手術も摘出すれば終わりなので、脂肪腫が小さければ、日帰り入院で済むことがほとんどです。

○抜糸までの期間も考慮して

手術後、抜糸までの期間も摘出する部位で変わります。顔の脂肪腫摘出なら1週間程度、足の裏や手のひらにできた脂肪腫は2週間、その他の首や肩などの部位は1週間から10日ほど掛かるようです。

あまり手術後の生々しい状態を、職場や学校で見せたくない、という人もいるでしょう。そのような場合は、抜糸するまでの期間も考慮して手術に臨んでみてはいかがでしょうか。

手術の費用

脂肪腫の手術費用は病院によってもまちまちですし、脂肪腫の大きさによっても異なってきます。また、露出部(服の外に出ている場所)か非露出部かどうかによっても値段が変わってきます。一般的には皮膚科や形成外科で治療を行うことになると思うのですが、お医者さんも患者さんが欲しいので価格も似たり寄ったりになってきています。

大体の目安として紹介すると、露出部の脂肪腫で2㎝未満の場合は8000円程度、2㎝以上の場合は14,000円から17,000円程度かかるようです。また、非露出部の脂肪腫で2㎝未満の場合には7,000円程度、2㎝以上の場合は13,000円から17,000円程度かかると言うことです(すべて3割負担の場合)

こういった違いは、手術する部位や大きさ、手術の難易度によるということです。また、脂肪腫が皮下組織ではなく、筋肉などのより深い部分にできている場合は、更に10,000円ほど上乗せされるそうです。他にも、皮膚の粘膜が薄いまぶたや唇、耳などに脂肪腫ができた場合は、難易度も高く、手術費用も高くなるようです。

手術が必要な場合の症状

痛みがある

前にも触れた通り、脂肪腫は痛みを伴いません。よって、そのコブが痛いと感じる時にはその他の病気が疑われるので、病院で診てもらうことをおすすめします。

中には、良性ではなく悪性腫瘍だった場合は痛みが伴うのではないか、と思われがちですが、良性も悪性もほとんど痛みが伴うことはなく、どちらかを判断するのは手術での病理検査でしか分かりません。

ちなみに、悪性の脂肪腫の場合は「脂肪肉腫(しぼうにくしゅ)」と名前を変えます。良性だった脂肪腫が成長する過程で悪性に変化するのです。

痛みを伴うコブは、もしかすると「神経鞘腫(しんけいしょうしゅ)」かもしれません。こちらは非常に鋭い痛みが出るそうなので、我慢するよりも取ってしまった方が良いそうです。

化膿している

脂肪腫は、痛みもなければ化膿することもありません。もし、赤くなったり、腫れたりしている様子が見受けられたら、その他の疾患が疑われます。

後に紹介する、脂肪腫と似た症状を持つ疾患である場合が考えられますので、皮膚科や形成外科を訪ねましょう。化膿していると、痛みもあるでしょうし、気になりますよね。もし、患部から膿が出ていたりする場合は、できるだけ早く受診しましょう。

5cm以上の大きさになっている

痛みもなく、化膿していなくても、脂肪腫の大きさが5センチを超える大きさになってしまったら、病院に行くことをおすすめします。大きくなっていく過程で、悪性の脂肪肉腫に変わっていることも考えられるからです。一般的に、脂肪腫が5センチを超えると、悪性である可能性が高いといいます。

悪性の脂肪腫になっても、そこですぐ死に結びつくほどの深刻な腫瘍ではないのですが、摘出しなければ、どんどん増殖していきます。摘出することによる傷口も、とても大きくなります。

また、幸い良性であったとしても、それくらいの大きさになれば、見た目からも明らかでしょうし、日常生活にも支障が出てくるでしょう。これ以上大きくならないためにも、摘出手術を受けた方が賢明です。

脂肪腫と似た疾患

血管脂肪腫

痛みがある脂肪腫の場合、「多発性血管脂肪腫」である可能性が高いそうです。血管にできる良性の腫瘍ですが、日常生活で、触れることの多い部位にできると痛みが伴うことから、手術で取り除いた方が楽なこともあります。

その名の通り、多発性ですから1つではなく、1度に複数個の脂肪腫ができるので、痛みも脂肪腫の数だけ増します。いくつもできると、痛みはあるし、何より目立ちますから手術で切除した方が楽と言えるでしょう。ちなみに、血管脂肪腫1つあたりの平均的なサイズは1〜2センチほどと小さめです。

また、普通の良性脂肪腫との明らかな違いは、触った時の感触です。一般的な脂肪腫は痛みがないのが特徴ですが、血管脂肪腫の場合は触るとコリコリとした、硬いものを触っているような感じがします。

血管脂肪腫の発症率は、脂肪腫の中でも全体の10%ほどで、さほど多くの人が掛かるわけでもありません。

粉瘤(ふんりゅう)、アテローム

次に疑わしい疾患は、「粉瘤(アテローム)」です。こちらは、にきびやそばかすのような大きさで、その部分が盛り上がっているように見えます。脂肪腫はなだらかに盛り上がるような見た目ですが、粉瘤の場合は、ポコッと突起しているように見えるのが特徴です。

粉瘤は、皮膚の下に、袋に包まれた脂肪や膿が入っているもので、袋から破けた時には強烈な臭いを発します。にきびを潰すような感覚でこの粉瘤を潰すと、ぶにゅっとした白い塊が出てきます。臭いはしますが、それが化膿しているとは限らないのだそうです。

粉瘤が5ミリほどの小さいものであれば、自然に状態が軽くなることもあるし、粉瘤の袋を切開して治るパターンもあるそうですが、それよりも大きいものになると、袋ごと取り去ることになります。

粉瘤のサイズが大きい場合は、脂肪腫の摘出手術同様、取り除いた部分も大きくなります。摘出した部分は穴が開いたような状態になるため、そこに血液などが溜まりやすく、「ドレーン」と呼ばれるゴムやシリコンでできた管を入れることもあるのだそうです。

ガングリオン

「ガングリオン」という皮膚の病気も、脂肪腫と間違いやすい疾患の1つです。脂肪腫同様、ガングリオンも良性のものがほとんどということです。

ガングリオンは、比較的若い女性に掛かることが多いのだそうです。透明の液体が中に入っているのが分かって、水ぶくれのような見た目をしています。盛り上がった部分の中身が見えるガングリオンと、中が全く見えない脂肪腫では、その見た目からも大きく違うと言えるでしょう。

ガングリオンのほとんどが、手の関節周りにできることが多く、手を使い過ぎたり、ケガなどが発端でできることなどが考えられますが、はっきりとした原因は分かっていません。欧米では、ガングリオンを聖書のようなぶ厚い本で叩き潰すこともあることから、「聖書ダコ」ともいわれているそうです。イエスさまもびっくりですね。

そのままにしておいても問題ありませんし、ガングリオンの場合は自然に治ります。もし痛みが生じる時は、消毒をした針などで潰すと、溜まっていた液が出て痛みが和らぐこともあります。気になる場合は、病院で診てもらうのが安全です。近くにあれば、皮膚科を訪ねるのがベストでしょう。

滑液包炎

脂肪腫と似ている症状の疾患、最後にご紹介するのは、「滑液包炎(かつえきほうえん)」です。滑液包炎はその名の通り、滑液包に痛みをともなう炎症が起こることで、炎症が悪化すると、患部も画像のように赤く腫れたように見えます。

滑液包は軟部組織(筋肉や腱、靭帯のことを言います)と骨とが擦れる部分にあるクッションのような役割をしており、中には少量の体液が入っています。原因はよく分かっていませんが、関節の使いすぎやケガなどによって、中の滑液が増えることで炎症が起こると言われています。

盛り上がって見えることから、一見、脂肪腫のようにも見えますが、痛みがある場合はこちらの滑液包炎を疑った方が良いかもしれません。好発部位は肩ということですが、ひじやひざなどに見られることもあります。

また、治療法は患部を冷やす方法や関節を固定すること、抗炎症薬で治療する他、症状が酷い場合は注射器で液体を抜き取ったり、滑液包を手術で取り去る方法があります。

犬にできる脂肪腫について

できる場所

脂肪腫ができるのは、人間だけではありません。動物の中でも、よく脂肪腫の症状が見られるのが、犬です。犬は、ペットとして飼われている最もスタンダードな動物でもあり、この脂肪腫で動物病院を訪ねる飼い主が多いようですね。好発部位はおなかの下側です。

ただ、人間の脂肪腫と違う点を挙げるとすれば、人間の脂肪腫が皮下にできるのに対し、犬の場合には足の筋肉部分に脂肪腫が出来ることがあると言うことです。その場合には、可哀想ですが足を切断しなければならないこともあるそうです。

一般的な皮下組織にできた脂肪腫であっても、心臓の弱い犬などは、身体の負担を考え手術ができないことも。経過を見守るだけに留まることもあるようです。

特徴

犬にできる脂肪腫の特徴は、人間の脂肪腫とさほど違いはありません。見た目はなだらかなコブで、触るととても柔らかく、痛みはありません。形は楕円になることが多いようです。

皮下組織にできた脂肪腫は痛みませんが、筋肉の間にできた脂肪腫は痛みが走ることがあります。筋肉にできた脂肪腫を抱えた犬は、歩く姿勢がおかしくなったりするのが特徴なようですから、散歩の時に歩き方を確認すると良いでしょう。

原因

○老犬が掛かりやすい

犬の場合も、脂肪腫にかかるはっきりとした原因は分からないのだとか。ただ脂肪腫に掛かるのは老犬が多いそうで、老いる過程で脂肪腫ができやすいのだろうと考えられています。

犬種によって、脂肪腫にかかりやすいなどの違いはあるのでしょうか?脂肪腫になりやすい犬種、というものはなく、あらゆる犬種において「老犬」である場合は、脂肪腫に掛かりやすいようです。

脂肪腫は良性なので、手術しなければならないわけではありません。にしても、日常生活に支障が出るほど大きくなってしまったとか、歩き方がおかしいなどの場合は手術で除去した方が、犬も楽に過ごせるでしょう。

○予防策はあるの?

良性とは言え、脂肪腫を予防する方法はありません。しかし、人間の脂肪腫と同じで見た目では、それが良性なのか悪性なのかは判断が付かないため、しこりやコブを発見した段階で、医者に診て貰うのが安心です。

検査した結果、良性であった場合は経過観察にとどまるかもしれませんし、悪性であれば早急に除去手術が受けられるので、早めに対処した方が良いということです。

脂肪腫と似た腫瘍

ここでは、犬の脂肪腫と似ている疾患について見ていきましょう。脂肪腫との明らかな違いにも触れていますが、判断が難しい場合は自己判断で終わらずに、医師の判断を仰ぎましょう。

○肥満細胞腫

これは、脂肪細胞が「がん化」した状態のことを言うようで、ほとんどの場合が皮膚にできるそうです。見た目は、人間の粉瘤と似ていて、袋状のできもののように見えます。

この疾患に掛かると内臓にも異常が出てきて、不整脈になったり、胃潰瘍を起こしたりするのだそうです。また、機械的な刺激を与え続けることによって赤みが出たり痒くなったりもするそうです。そうならないためにも早めに獣医さんにかかることが重要です。

○皮膚炎

舐性皮膚炎(しせいひふえん)と呼ばれるもので、犬が皮膚の同じ部分を繰り返し舐めることで、炎症を起こす病気です。この疾患に見られる犬の特徴は、同じところを何度も舐めているとか、皮膚がめくれたり赤く炎症している場合には、この舐性皮膚炎が疑われます。酷い場合には骨が見えてしまう場合もあるそうです。

○乳腺腫瘍

乳腺腫瘍は、乳がんのことで良性と悪性があります。乳腺腫瘍になった場合、乳がんになった部分の乳頭が赤く腫れたようになるのが特徴です。また、乳腺腫瘍に掛かった犬は、飼い主からの胸や腹部のタッチを嫌がる傾向にあるそうです。

脂肪腫のように膨れたように見えるところは似ていますが、乳腺腫瘍は赤くなるので違いは分かるでしょう。ホルモンなどの影響が乳腺腫瘍の1番の原因とされていて、人間のように子どもを産んだ数などは原因だと考えられていないそうです。

まとめ

脂肪腫についてまとめましたが、いかがでしたか?

まずは、脂肪腫は皮下組織にできた脂肪の塊で、良性のものが多く、そのほとんどが早急な対応が必要なものではないことが分かりました。大きさによっては、経過観察で様子を見るだけのパターンもあります。

ただその反面、脂肪腫は良性と悪性の明らかな違いはないので、気になる場合は病院で診察をしてもらい、病理検査を受けることも大切です。

脂肪腫の形が5センチ以上の場合や、日常生活に支障が出るような部位に脂肪腫ができた場合など、心配な時にはすぐに診てもらいましょう。

除去手術を受ける時は、脂肪腫がなるべく小さい段階で行う方が、患者の負担も軽くなります。摘出後の手術跡も残りにくいし、回復がより早くなることを考えると、我慢しないで対処した方が良いかもしれません。

言葉が話せない犬の症状は、飼い主であるあなたにしか発見できません。こまめに犬とのスキンシップをはかって、こまかなコブやしこりにも早めに気付いてあげられると良いですね。