脂肪吸引のリスクと安全に脂肪吸引を受けるために知っておきたい脂肪吸引の基礎知識

「食事や運動では、なかなか痩せられない」「痩せてもすぐにリバウンドしてしまう」という人たちが選択する治療法のひとつに「脂肪吸引」があります。文字通り、体についている脂肪組織を吸い取ってしまいますから、体型は明らかに変えることができます。ですが、海外では死亡例も報告されているとか。脂肪吸引にはどんなリスクがあるのでしょうか。安全に手術を受けるためにはどうしたらよいのでしょうか。

脂肪吸引の効果と費用について

効果は体のラインをきれいにすること

脂肪吸引には、体のラインをきれいにする効果があります。例えば、ウエストの脂肪組織を吸引をしたことでずん胴だったウエストにくびれができたり、脂肪がつきすぎて垂れていたヒップラインがきれいになったりという効果です。

「ダイエット効果がある」と思っている方も多いようですが、脂肪吸引は、体重を落とすことを目的とした治療法ではありません。脂肪を取ることで外見を変えようとするもので、確かにその効果はあるといってよいでしょう。

ただし、経験が少ないドクターや技術の未熟なドクターの手術では、かえっておかしな見た目になってしまうこともあるようです。

費用は方法と吸引する部位によって変わる

脂肪吸引の手術には、いくつかの方法があります。その方法と脂肪吸引をする部位によって費用が違ってくるため一概に言うことはできないのですが、参考までに湘南美容外科クリニックの例を挙げてみましょう。

●ニの腕の場合(手術方法は3パターン)
 脂肪吸引…………123,520円
 ボディジェット…178,200円
 ベイザー…………280,000円(肩までを含む)
(2016年2月6日現在 税込価格)

麻酔代やその後のケアなど別途料金も考慮すると、150,000円~300,000円程度は見積もっておいたほうがよいかもしれません。いずれにしても費用に関しては手術を受けるクリニックでしっかり確認をするようにしましょう。

脂肪吸引の歴史と死亡率について

歴史

脂肪吸引の始まりは、1970年代にフランスの医師が開発した「カニューラ吸引法」だといわれています。カニューラ吸引法は、皮ふに小さな穴を開けて器具を挿入し、広範囲の皮下脂肪を吸い取る方法です。これが全世界に広がっていきました。

日本で脂肪吸引が始まったのは、今から約20年以上前とされています。ですが、まだまだ一般的ではなく、手術や治療も手探りなら結果も今ひとつということが多かったようです。

ですが、ここ10年ほどの間に日本でも機器や技術が目覚ましく進歩し、ドクターの技術も磨かれてきました。最近では、安全で確実な手術として知られてきています。

死亡率

日本での死亡率は、明らかにはなっていません。死亡には至らなくてもトラブルとなり、裁判が起こされているケースもあるようですが、その実態を把握することは現実的には不可能とされています。

ですが、アメリカの政府機関であるFDA(アメリカ食品医薬品局)はデータを公表しているそうです。それによると、10万回の脂肪吸引が行われた場合、20人~100人が死亡しているのだとか。この数値をFDAは重視しているようで、脂肪吸引には死亡に至るなどの大きなリスクがあることを強調して警告しているようです。

脂肪吸引で死亡に至る原因について

脂肪吸引での死亡は、どのようなときに起こるのでしょうか。原因とされることを見ていきましょう。

内臓の損傷

お腹の手術の場合、脂肪吸引の器具を誤って脂肪層よりも深いところまで刺してしまい、内臓が傷つけられてしまうことがないとはいえません。内臓が損傷すると、命に危険が及ぶ可能性があります。

よほど乱暴な手術でない限り命の危険が及ぶほどの損傷には至らないと言われています。ただし、盲腸などで過去に腹部の手術を受けた経験のある人や高齢の人などは、通常よりもリスクが高くなると考えておいたほうがよいとも言われています。

麻酔での事故

麻酔での事故もゼロとは言い切れません。麻酔によって次のようなことが起こったときには、命に危険が及ぶ可能性が指摘されています。

●麻酔から覚めない
●呼吸ができなくなってしまう
●中毒を起こす
●アナフィラキシーショックを起こす

万が一の事態に備え病院側も救命の準備をしていますので、実際に死亡に至るケースはまずないと言われています。それでもやはり、リスクはあるということです。

出血性ショック

脂肪吸引の手術中、出血多量になることで死亡につながる可能性が考えられます。ですが一般的には、出血多量になる前に手術は中断されるので死に至ることはないと考えて大丈夫なようです。

血栓(血のかたまり)が血管につまる

脂肪吸引の手術をした後、血栓といわれる血のかたまりが血管につまると血液の流れが阻害され、死亡に至る可能性があるといいます。私たちの体は血栓ができないような仕組みになっていますが、手術前の体の状態や、手術時の体勢により、血栓ができやすくなることがあるのだそうです。

もちろん、そのようなことのないように対処して手術は行われるので、実際にはそれほど心配することはないと言われていますが、可能性のひとつとして覚えておくとよいでしょう。

脂肪のつぶがかたまって血管につまる

手術中に脂肪のつぶが血管に入って流れ、どこかでかたまりになってつまってしまった場合、死亡に至る可能性があります。

血栓の場合はつまった血を溶かす薬で治療することが可能ですが、脂肪のつぶを溶かすための治療は、現在のところありません。ですから、血管を流れた脂肪が肺、心臓、脳などでかたまってしまうと、命を落とすリスクがかなり高くなります。

ただし、これまで日本でこういった事例が起きたという報告はないそうです。

脂肪吸引で事故や失敗を避けるため注意したいこと

医療ミスによる事故や失敗は、ドクターの力量にもよるので防ぎようのなかったことといえるかもしれません。ですが、自分なりの対策をとることで防げることもあるといいます。安全に安心して脂肪吸引の手術を受けるために自分ができることをご紹介します。決して難しいことではないので、ぜひ守るようにしましょう。

自分の持病や体質について、必ず事前に伝える

手術の際には麻酔をかけます。また、吸引するために自分の体に傷が入ります。大手術というわけではありませんが、最初の診察やカウンセリングのときに、自分の持病や体質、既往症については、ドクターにしっかりと伝えるようにしましょう。

自分では「これは言わなくても大丈夫かな」と思うようなことでも、医療側にとっては重要な情報かもしれません。小さなことでも正直に伝え、必要な情報かどうかはドクターに判断してもらうことが大切です。

歯医者さんで麻酔をかけられたときに体調不良を起こしたことがある、喘息発作などのアレルギーを持っている、持病で服用している薬があるといった情報は、私たちが思う以上に大切なこととされています。特に女性の場合は、生理痛の重さなども伝えておきたいところです。

こういったことを事前にドクターが知っていれば、万が一に備えて準備をすることができます。自分の体を守る責任は、自分にあることを忘れないようにしてくださいね。

手術前に指示されたことは必ず守る

手術の日が決まると、病院から手術前の過ごし方について指示が出ます。これは、手術を安全に進めるための指示ですから必ず守りましょう。

例えば、静脈麻酔を打って手術を行う場合は「前日の夜9時以降は、飲食は禁止」というように、飲食についての制限が出されることがあります。手術の麻酔のために、胃の中をからっぽにしておくためです。からっぽでないと、手術中に吐き気を催す可能性があり、万が一吐いてしまった場合、それが気道につまり窒息を起こしかねないからです。

「水をちょっとだけならいいよね?」などの素人判断は禁物です。必ず指示されたことを守って手術に臨んでください。

手術当日に体調の変化があったら必ず伝える

生理になってしまった、微熱がある、ちょっと風邪気味であるなど、体調の変化を感じたときには、必ずドクターに伝えるようにしましょう。ドクターが体調をしっかり把握していれば、不要な医療事故を防ぐことができます。

もしかしたら、手術を延期することになるかもしれません。会社や学校の休みをとって手術を受けにきた場合は「どうしても手術をしてしまいたい」という思いが、きっとあることでしょう。

だからと言って、黙って手術を受けて取り返しのつかないことになってしまっては、元も子もないのではないでしょうか。優先されるべきは安全な手術です。それは、自分のためであり、手術を担当してくれるドクターのためでもあるのです。

カウンセリングに出向いた足で手術を受けない

仕事や学校の日程調整をすることを考えると、できればクリニックに足を運ぶ回数は少なくしたいものです。が、脂肪吸引手術を安全に受けるためには、カウンセリングに出向いたその足で手術を受けることはやめましょう。それには理由があります。

本当に手術を受けて大丈夫かどうかを判断するためには、血液検査が欠かせません。この血液検査は、単に健康診断レベルのことを調べるのではないのだそうです。血液の止まりやすさなど、細部に渡って調べるといいます。そのため、どんなに短くても、丸1日は時間が必要とされています。

カウンセリングに出向いた足で手術を受けるということは、この確認をせずに受けるということです。それは安全性の面でとてもリスクのあることなのです。もしもカウンセリングの場で「このまま手術をして行きますか?」などと聞かれたら、きっぱりと断り、ほかのクリニックを探したほうがよいでしょう。自分の身を守る責任は自分にもあります。

1日で広範囲の脂肪吸引をしない

「何度も休みを取ることができないから」と、1日で広範囲の脂肪吸引をしようと考える人もいますが、それはおすすめできません。次のようなさまざまなリスクが考えられるからです。

●手術の場所が広範囲になるほど出血量が多くなる。
●手術の場所が広範囲になるほど手術時間が長引き、体に負担がかかる。
●手術の場所が広範囲になるほど血栓ができる可能性が高まる
●あちらこちらの脂肪組織に触れるため、脂肪のかたまりができる可能性が高まる

リスクを避けながら手術をすることも不可能ではありませんが、次の通り、手術の効果があまり期待できないということが考えられます。

●出血量を少なくするため、各部位の吸引量を減らす→余分な脂肪が取り切れない
●体の負担を減らすため、麻酔時間を短くする→取りたい脂肪が取り切れない
●血栓が発生するのをおさえるため脂肪吸引を控え目にする→しっかり脂肪が取れない
●脂肪のかたまりができないように脂肪吸引を控え目にする→しっかり脂肪が取れない

1日で脂肪吸引をすることは時間の節約にはなりますが、安全面と効果面には問題があるということになりそうです。高いお金を払って受ける手術なのに、効果がないのでは意味がありません。手術をしたい部位がたくさんある場合は、よくドクターと相談し、段階を踏んでするのが望ましいといえます。

まとめ

脂肪吸引の手術は、ここ10年ほどで機器も技術も進歩し、ほぼ安全に行えるといわれています。ですがそれは、きちんとした治療ができるドクターのもとで、自分の体を守ることを第一に考えて計画を立てた場合のことです。

時間を節約したり、腕の未熟なドクターや利益優先のドクターのもとで手術を受けたりすることにはリスクも伴うことをぜひ胸に留めておいてください。

安全な手術でステキな体型を手に入れてくださいね。

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