咬筋ってなに?顎関節症と関係ある?マッサージで小顔にって本当!?咬筋のコリをほぐすエクササイズや治療法など徹底紹介!

咬筋ってあまり耳なじみがないと思いますが、文字通り咬むときに使われる筋肉です。最近は柔らかい食べ物が多くなり、咬筋が発達せずに歯並びが悪くなったり、若い女性の場合には顎関節症になるケースも見られます。でも、普段あまり使っていないからこそ、エクササイズの効果も上がりやすいです。エステに行かなくても小顔になることも可能ですよ!

咬筋マッサージで小顔になろう!

咬筋は食事をしたときなどによく使われる筋肉ですが、柔らかい食べ物に囲まれている現代人は、この咬筋を使うことが少なくなってきています。

筋肉はそもそも使うから固くなるのではなくて、使わないことによって固くなります。同じ姿勢をしていて肩がこるのとメカニズムは一緒です。咬筋がこって固くなると、血液の循環が悪くなってむくんでしまうだけでなく、表情筋をうまく使えなくなって、顔の表情が暗い印象になってしまいます。

女優さんが輝いて見えるのは、一般人と比較して表情筋を使う頻度が圧倒的に多いからで、なにもエステやお化粧品の力のおかげだけではありません。

普段から顔が疲れて見られたり、顔が向くんでしまう方には、今回ご紹介する咬筋マッサージが特におすすめです。小顔だけでなく、血行がよくなって表情が明るくなる効果もありますよ。

咬筋(こうきん)って何?

咬むために必要な筋肉のことです

咬筋とは読んで字のごとく、「咬む」ときに使う「筋肉」のことです。こういった筋肉のことを咀嚼筋(そしゃくきん)といい、咬筋のほかに、側頭筋、内側翼突筋、外側翼突筋のあわせて4つで咀嚼筋を構成しています。

ただし、咀嚼の機能面に注目した場合には、開口運動に関わる筋肉として、舌骨筋のうち顎二腹筋とオトガイ舌骨筋、顎舌骨筋があるので、これらも含めて咀嚼筋とすることもあります。昔の言葉で顎のことをオトガイと言っていた名残が、筋肉の名称にも現れているんですね。

ちなみに咀嚼という行為は、口を開けたり閉じたりする動作をともないますが、実はこの動作って、完全な随意運動(自分の意思で動かすこと)ではないことをご存知でしたか?

咀嚼運動は随意運動に属してはいますが、他の骨格筋による運動の場合と同様、細かい部分は反射によってなされています(不随意運動)。

この反射のことを咀嚼反射といい、下顎張反射と閉口反射、開口反射に分けられます。閉口反射は歯根膜反射(咬筋反射)ともいい、リズミカルな咀嚼を生み出します。

浅部と深部に分かれている

ひとくちに筋肉といいますが、筋肉はアウターマッスルとインナーマッスルに分かれています。咬筋を解剖学的に診てみると、浅部(アウターマッスル)の起始は頬骨弓の前部から中部に付着していて、停止部は下顎枝、下顎角の外面に付着しています。

咬筋の深部(インナーマッスル)は、頬骨弓の中部から後部、さらには側頭骨にまで付着しています。側頭部のことを「コメカミ」ということにも頷けますよね。

よく筋肉が「こる」という言い方をしますが、実はアウターマッスルはそれほどこることがありません。力こぶを想像してもらえばわかると思いますが、筋肉が太くて強い場所は血液の循環が良いので、仮に筋肉痛になることがあっても、慢性的にこることはありません。

だから、咬筋のコリという場合も同様で、咬筋の深い場所でのコリを指します。ただ、頭蓋骨は容易に筋肉に触れられることから、咬筋の深部筋マッサージも可能という訳です。

咬筋の主な働きは?

咬む際に強く収縮する

咬筋の支配神経は三叉神経の第三枝である下顎神経です。さらにそこから外側翼突筋の側方および上方、顎関節の前方、側頭筋の後方を走行する咬筋神経へと接続しています。

咬筋動脈と同様、下顎切痕を横断して咬筋の深層にむかっていて、その前縁で分岐しています。顎関節にも分枝を送っています。咬筋の主要な働きは、咬むときに強く収縮することです。

下顎を上げ口を閉める

咬筋の支配神経は三叉神経の第三枝である下顎神経なので、その主な動作は下顎を上げて口を閉じることにあります。ペリカンを想像してもらうとわかると思いますが、上あごを下げるのではなくて、下顎を上げるわけです。

食事の際などに物を咬むときに、手を頬骨の下のやや耳寄りにあててみると、咬筋が盛り上がるのが簡単に分かります。そこから下の歯の歯茎にかけてがおおよその咬筋の位置です。

ストレスで咬筋が「こる」のはなぜ?

歯ぎしりや食いしばりをする

デスクワークで仕事に集中をしている時に、気がついたら歯を食いしばっていたことがありませんか?特に女性に多いのですが、そのようなストレスフルな仕事をしていると、咬筋がこりやすくなってしまいます。

また、慢性的なストレス状態は、睡眠中にも歯ぎしりといった形で現れます。これも無意識の歯の食いしばりです。歯科医を受診するとマウスピースで治療をしたりしますが、逆にそれがストレスになることもしばしばで、なかなか厄介な症状です。

咬筋に強い力がかかる

健康な成人男性が奥歯をかみ締めた場合に掛かる負荷は、平均で約60kgという研究結果があります。つまり、自分の体重と同じくらいの負荷が、物を咬むときには掛かっている計算になります。

プロスポーツ選手がよくマウスピースをしているのは、口の中を切らないようにする目的もあるのですが、食いしばることによって歯がボロボロになるのを防ぐ目的もあるのです。

ちなみに、この歯を食いしばる力ですが、現存する生物だとナイルワニが一番強いらしく、その咬む力は2トンに達するそうです。ナイルワニに会ったら即逃げた方がよさそうですね。

さらに余談ですが、たぶんないとは思いますが、もしワニに出くわすことがあったら、まっすぐ逃げるのではなく、ジグザグに逃げるといいそうです。ワニは直線だと人間より早く走れるのですが、身体の形状から方向転換が素早くできません。

咬筋が発達して肥大する

話を咬筋に戻しますが、昔のヒトに比べて現代人はよく「顎が細くなった」という風にいわれます。これは、調理法や食べるものの変化によって、固いものを食べる習慣が減ってきているからと考えられています。

実際に、現代人と縄文人の頭蓋骨を比べてみると一目瞭然で、縄文人のほうがエラが張った顎をしています。現代人でもしっかり物を咬むヒトは咬筋が発達してエラが張っていたりします。

咬筋のコリが悪化すると?

エラが張ってくる

骨は圧力がかかり続けると大きくなる特性がありますが、咬筋のコリが強くなってくると、咬筋が付着しているエラの部分が徐々に目立つようになってきます。

また、咬筋肥大症といって、咬筋が肥大することで、顎の筋肉に腫瘤状の腫脹(腫れて膨らむこと)が現れてくる疾患があります。咬筋肥大症になると、エラが張っているのと間違われることが多いです。

日中や夜間に歯を食いしばるクセのある人が、咬筋肥大症になりやすいといわれていて、20代から30代の男性に多く見られるのが特徴です。

頭痛

咬筋は側頭部にも付着しているため、筋肉の緊張が続いてコリが慢性化すると、側頭部の栄養状態が低下して頭痛が現れることがあります。側頭部を「コメカミ」といいますが、咀嚼にも関与する場所なので、頭痛が出てしまうという訳です。

目の疲れ

咬筋が緊張する理由の一つに、デスクワークなどに集中して歯を食いしばってしまうことが挙げられますが、そのありがたくない副産物として眼精疲労も現れます。

歯を食いしばって集中して画面を見ているときに、目元だけリラックスしていることってありえないですよね。眉間にしわを寄せていると、目を動かす筋肉にもコリが生じて、目の疲れが生じるというわけです。

首や肩が凝る

歯を「イーッ」と食いしばってみてください。首の前の両側が盛り上がりますよね。これは胸鎖乳突筋という筋肉で、顎の横、耳の下辺りと鎖骨を結んでいます。歯を食いしばる時間が長いと、この筋肉が緊張してきて、結果として首や肩の凝りにつながります。

顎の動きが悪くなる

筋肉は基本的に骨と骨とを結んでいて、目的の場所の動作に関わっています。咬筋も同様で、下顎を上に持ち上げて口を閉じる動作をその主な目的としています。

咬筋の緊張が強くなりすぎると、この口を閉じる作用が強くなりすぎてしまい、口が開きづらくなるということが起きてきます。進行すると、顎の付け根辺りが、口を開くたびにコキコキとなったり、顎に痛みが出ることもあります。

顔がむくむ

筋肉がこって血行が悪くなった場所はむくみやすくなってしまいます。咬筋は主に顔の両サイド、下半分に付着しているので、この筋肉がこることによって顔がしもぶくれになったり、二重あごになったりと、むくんだような状態になってしまいます。

コリをほぐすエクササイズ

咬筋の位置を確かめる

咬筋のエクササイズをする前に、まずは咬筋がどこにあるのかを確認しておきましょう。咬筋にかぎらず、エクササイズしたい筋肉の場所や動きをイメージすることは非常に重要で、しかもエクササイズの効果アップにもつながりますよ。

咬筋の場所は、割と簡単に探ることが出来ます。頬骨の下の両脇を指先全体で押さえてみてください。それから軽く歯を噛み締めてみてください。膨らむのが分かりますよね?それが咬筋の起始部(スタート地点)です。

手のひらで押し込み&円を描くエクササイズ

エラが張っていたり、顔がむくんでいたり、顔の輪郭が気になるひとにおすすめのストレッチです。特に身体は痩せているのに、顔だけしもぶくれになっている人は重点的に行いましょう。

咬筋のエクササイズは、他の筋肉に比べて簡単に、それほど力を必要とせずに出来ます。最初に顎全体を包むようにして圧迫します。その次にリフトアップしていきます。

力を入れて抜くことで筋肉の収縮と弛緩を促し、局所の血流が改善することで、筋肉が緩みます。そこでリフトアップして、さらにあごの下の部分をほぐすことによって二重あごも解消できます。

側頭筋を指で押し回す

「コメカミ」にあたる部分も咀嚼や歯を食いしばることによってコリが出ますので、指先でクルクルと押しまわすことによって、筋肉の緊張を解消しましょう。頭痛もちの人に特におすすめですよ。

ちなみにこのコメカミ(側頭部)という場所は、ストレスのバロメーターになっている場所です。うつ病の人などはカチカチに固くなっていて皮膚が動かないほどです。日頃から固さを確認して、自分のストレス状態を知っておくことも大事ですよ。

二重あご解消マッサージ

あごの下の部分のコリは、顎関節症だけでなく、二重あごの原因ともなります。リンパが集まっている場所なので、効果的にマッサージしてあげることで、二重あごを解消して小顔にもつながりますよ。

解剖学的にいうと、顎二腹筋から、内側翼突筋にかけて筋肉を緩めていき、それを耳下腺のリンパから鎖骨下のリンパに向けて流していくというイメージです。

治療が必要な場合は病院へ行きましょう!

咬み合わせが悪く咬筋に負担

左右の歯のかみ合わせが悪いと、咬筋に負担がかかることが増えてきます。その様な場合には矯正歯科で矯正治療を行うことによって、歯にかかる負担を減らすことが出来ます。

また、ストレッチによって咬筋を緩めるのも効果的です。顎の筋肉は使うことではなく、使わないことによってこってくるので、ガムを噛んだりよく咀嚼するように心がけることも大事です。

筋肥大症の場合

咬筋肥大症の場合の治療は、対症療法と、原因となっている習慣を除去することです。夜間の歯ぎしりに対してはマウスピースを使用しますが、重症例では咬筋を切除する手術をするケースもあります。

また、エラの張りやコメカミの張りをボトックス注射によって改善する施術が美容外科で行われています。肥大した咬筋にボツリヌス製剤を注射することで、筋肉を細くして小顔効果を実現します。

表情筋の審美目的の施術のために保険適応外なので、全額自己負担となります。料金は施術する場所や製剤メーカーによっても違いがありますが、一般的に5~10万円はかかるようです。

顎関節症の場合

咬筋に関するトラブルの一つに、顎関節症があります。20代から30代の女性に多く見られる症状で、口をあけるときのクリック音や、咀嚼時の痛みなどが特徴です。

歯科医でマウスピースを用いた治療を行ったりするのですが、本来は顎「関節」症なので、整形外科の領域です。骨がどうにかなっているいうよりは、筋肉が原因のことが多いので、筋肉を緩めることにより症状の改善が見られること多いです。

まとめ

咬筋についてその作用と、凝ることによって現れる弊害についてご紹介してきました。「咬筋なんて聞いたことがない」という人も多いかと思いますが、若い女性に多い顎関節症の原因となると聞けば、気になるのではないでしょうか。

文中でも触れましたが、モデルさんや女優さんがキレイなのは、ただお化粧やエステだけではなく、咬筋を含む表情筋をよく使っているからなのです。

表情筋を常日頃からエクササイズやストレッチをしている、と言ってもいいかもしれません。あなたも咬筋マッサージで、明るい表情と小顔を手に入れてくださいね。