中性脂肪とはどんなもの?コレステロール値も気を付けよう!

健康診断の際の気になる項目の1つに、中性脂肪がありますよね。この数値を下げようとして、健康診断前日の食事を控えてしまったりする方もいらっしゃるのではないでしょうか。ですがこの中性脂肪、そもそもどのようなものなのかご存知でしょうか。今回は中性脂肪とは何かご紹介していきます。中性脂肪の下げ方についてもご紹介致しますので、気になる方はぜひ参考にしてみてくださいね。

中性脂肪とは何か知っていますか?

中性脂肪とは、魚や肉、食用油などの食品中に含まれる脂質や、人の体内にある体脂肪の大部分を占めているものです。脂肪酸にグリセリンが結びつくと中性を示すため、中性脂肪と呼ばれます。また、トリグリセリドと呼ばれることもあり、TG/TAG/Trigなどの略号で記載されることもあります。

炭水化物の分解物であるブドウ糖の過剰分などを始め、食事によって摂取される脂肪の大部分は中性脂肪になります。中性脂肪は通常エネルギー源として消費されていきますが、使いきれずに余ってしまうと肝臓や脂肪組織に蓄えられていきます。

そのため、内臓脂肪や皮下脂肪に蓄積している脂肪のほとんどは、中性脂肪と言っても過言ではありません。中性脂肪は高くても低くても、体に何らかの異常を及ぼします。ですから、普段から食生活や生活習慣に気をつけて生活することが、とても大切になります。

中性脂肪とは

体を動かすエネルギー源

中性脂肪の最も重要な役割の1つに、体を動かすエネルギー源となるというものがあります。体を動かすためのエネルギー源としてはまず血液中の糖分が使われるのですが、糖分がなくなってしまうと次に中性脂肪が使われることになります。

ただ、この時にエネルギーを使い切れずに余ってしまうと、そのエネルギーは内臓や皮下に脂肪として蓄積されていくことになります。一般的に「ぜい肉」と呼ばれる皮下脂肪は、そのほとんどが中性脂肪であるという認識で問題ありません。

生きていくのに必要

生命維持活動に使われるほか、中性脂肪の重要な役割としては、内臓を衝撃から守る、体温を一定に保つというものがあります。皮下や内臓の周りに脂肪として蓄積することで、外部から何らかの衝撃を受けた時に内臓を守るのです。

また、体の表面に脂肪として蓄積することで、体温が必要以上に発散されてしまうのを防ぎ、体温を一手に保つという働きをしています。

中性脂肪は「中性脂肪が高いと病気になる!だから低い方が良い!」と捉えられてしまいがちですが、人間が生きていくために重要な役割を担っています。もちろん中性脂肪が高すぎると問題がありますが、低すぎても生命維持に支障を来す可能性が出てきてしまうのです。

コレステロールとの関係

血液検査を行うと、中性脂肪と同時に記載されるのがコレステロールですよね。コレステロールも人間の体に存在する脂質の1種ですが、中性脂肪とはどのように違うのかご存知でしょうか。

コレステロールは、肝臓で作られたコレステロールを体全体にとどけるLDLコレステロール(悪玉)と、血管壁に蓄積した余剰なコレステロールを肝臓に戻すHDLコレステロール(善玉)の2種類に分けることが出来ます。

中性脂肪とコレステロールの間には相関関係があり、血中の中性脂肪が増えるとHDLコレステロールが減少し、LDLコレステロールが増加します。また、アディポネクチンという内臓脂肪細胞により作られる中性脂肪を減少させる物質も減少させてしまうため、より中性脂肪が増加しやすくなります。

さらに中性脂肪が増えすぎるとレムナントという超悪玉コレステロールが増加します。LDLコレステロールに加えてレムナントが血管壁に蓄積していくと、動脈硬化などの重篤な疾患の原因となってしまうのです。

基準値

血液検査における中性脂肪の参考基準値は年齢別に以下のように定められています。

・10歳から39歳:54 – 110 [mg/dL](0.61 – 1.20 [mmol/dL])
・40歳から59歳:70 – 150 [mg/dL](0.77 – 1.70 [mmol/dL])
・60歳以上   :80 – 150 [mg/dL](0.9-1.7 [mmol/dL])

中性脂肪値の値が基準値よりも高い場合は、数値別に下記のように判断されます。(日本人間ドック学会判定基準による)

・150 – 249 mg/dL:要経過観察
・250 mg/dL以上 :精密検査または治療が必要

中性脂肪値が150mg/dLを超えると脂質異常症と判断されます。また、中性脂肪だけではなくコレステロール値も高い場合には、動脈硬化症や糖尿病、甲状腺機能低下症、クッシング症候群などの疾患が疑われます。さらに中性脂肪値が1000mg/dLを超えると、急性膵炎を起こすリスクが高いため、治療が必要になります。

一方、中性脂肪が基準値よりも低い場合には、肝臓病やアジソン病、甲状腺機能亢進症などの疾患が疑われることになります。

中性脂肪が高い原因

食生活

中性脂肪が高くなる原因は様々ありますが、その中でも最も影響するのは食生活です。白米やパン、麺類などの炭水化物、清涼飲料水やお菓子などの脂質、肉類などの脂肪分の多いタンパク質などの食品を過剰に摂取すると、中性脂肪を高める大きな原因となってしまいます。

また、パンや麺類に含まれる生成された炭水化物はインスリンの急激な上昇を招くため、インスリンを生成している膵臓に過剰な負担をかけることになります。インスリンは炭水化物を分解するために必要な物質であるため、インスリン量が不足すると炭水化物を分解しきれなくなり、さらなる中性脂肪の上昇を招くことになります。

ストレスや運動不足

運動不足になると、どうしても消費エネルギー量が減ってしまいますから、摂取したエネルギーを消費しきれず、体にさらなる中性脂肪を蓄積させてしまうことになります。普段デスクワークが多く、あまり体を動かせていないという方は注意するようにしてくださいね。

また、一見中性脂肪とは無関係に思えるストレスですが、ストレスが溜まると自律神経やホルモンのバランスが崩れて中性脂肪を上昇させてしまうことがあります。

喫煙やアルコールの摂取

アルコールは適切な摂取量を守れば体に良い影響を与えてくれますが、過剰に摂取してしまうと、中性脂肪が消費されるのを妨げます。これはアルコールの摂取により、肝機能の低下を招くことに原因があります。

喫煙すると、血管が収縮します。その結果、赤血球が酸素とうまく結びつけなくなって血液がドロドロになり、血中の中性脂肪の流れを妨げてしまいます。喫煙が体に良い影響を及ぼすことはほとんどありませんから、中性脂肪が気になり出したら思い切って禁煙してしまうのも良い方法ではないでしょうか。

遺伝

食生活に問題がなく、普段から定期的に体を動かし、さらに喫煙も飲酒もしないのに中性脂肪が高いという方もいらっしゃいます。このように中性脂肪の値が原因不明で高いという場合は、遺伝による先天性のものである可能性が非常に高いです。

家族や親戚などの血縁関係にある人たちの中に中性脂肪の値が高い人がいる場合は、遺伝により中性脂肪が高くなっていることもあります。気になる場合は、一度家族歴を調べてみても良いかもしれませんね。

中性脂肪が低い原因

遺伝や体質

遺伝により中性脂肪が高くなることがあるように、遺伝により中性脂肪が低くなることももちろんありえます。特に思い当たる原因がないのに中性脂肪の値が低く、毎回健康診断で引っ掛かってしまうという方は、一度家族歴を調べてみましょう。

栄養不足、ダイエット

偏った食べ物だけを食べる「◯◯ダイエット」。流行に乗って取り組んでみた方もいらっしゃるかもしれませんが、このようなダイエットを繰り返していると栄養不足になって中性脂肪が低下します。

栄養不足になれば確かに体重は減るかもしれませんが、肌や髪は荒れる、免疫力が低下して体調を崩しやすくなる、体力がなくなるなど、そのデメリットは計り知れません。しかもダイエット前の食事に戻した途端に体重が戻ってしまうことも多いですから、このようなダイエット方法は出来るだけ避けておいた方が無難と言えそうです。

過度な運動

ダイエットのためと始めた運動がつい行き過ぎてしまって、常に運動を過剰に行うような状態になっていると中性脂肪の摂取が消費に追いつかず、中性脂肪が低くなってしまうことがあります。

普段からアスリート並みの運動を行っている場合は、栄養もアスリート並みにしっかりと摂取しないと健康な体作りを行うことは出来ません。普段からかなり高強度な運動を行っている方は、運動量に合わせた食事内容を考えてみてくださいね。

肝臓疾患や甲状腺ホルモンの異常

肝臓は、口から摂取した脂肪を蓄積して、脂肪酸から中性脂肪を作り出す働きを持ちます。そのため、肝臓疾患(肝硬変など)により肝機能に障害が出てしまうと、中性脂肪を作ることが出来なくなり、中性脂肪の値は低くなります。

また、甲状腺は中性脂肪に深い関係のある部位と言われています。甲状腺機能が亢進し甲状腺ホルモンが過剰に分泌されるようになると、新陳代謝が異常に活性化して大量のエネルギーを消費し、中性脂肪の値が低くなってしまうのです。

中性脂肪が高いとどうなる?

動脈硬化

中性脂肪が増えると、LDLコレステロールが増えてHDLコレステロールが減ります。これは、前述した「コレステロールとの関係」で説明した通りです。中性脂肪が高い状態が慢性化して、HDLコレステロールが少なくなり、LDLコレステロールがどんどん増えると、血液はドロドロになって血管を防ぎ、動脈硬化を引き起こしてしまうのです。

また、動脈硬化になると血管内に血栓をつくるといった症状も起こるようになります。この血栓が血流に乗って脳に到達すると、脳梗塞や脳出血などを引き起こします。また、血栓が脳ではなく心臓に至ると狭心症となり、完全に血管を塞いでしまった場合は心筋梗塞となります。

脂肪肝

脂肪肝とは、肝臓に中性脂肪が蓄積し過ぎてしまった状態のことを言います。脂肪肝になっていても自覚症状はほどんどないため、あまり危機感を感じることはありません。ですが、脂肪肝は糖尿病などの生活習慣病のリスクを増加させるだけではなく、肝硬変や肝臓がんとなるリスクも上昇させてしまいます。

血液検査の際に、GOT、GPT、γ-GTPなどの値が高い場合には脂肪肝が疑われます。気になる場合は医師に相談したり、普段の食生活を見直したりするなどの対策を取るようにしてくださいね。

中性脂肪が低いとどうなる?

栄養不足

中性脂肪が低い = 体内の脂溶性ビタミン類(ビタミンA、ビタミンE、β-カロテンなど)の不足と考えることが出来ます。これは、偏った食習慣や極端な少食などにより引き起こされる栄養不足がその根底にあることが多いようです。

脂溶性ビタミン類が不足すると、神経機能の低下を招いてめまいなどの症状が現れることになります。また、中性脂肪自体が低くなることで偏頭痛を生じますし、血中の脂肪不足により血管壁が脆くなるといったことも起こります。

栄養不足の状態が慢性化すると、最悪動脈硬化を招いて血管が破れるといったことも起こりえます。中性脂肪は低ければ良いというものではありませんので、きちんと必要な食事はとるようにしてくださいね。

肝臓の機能低下

中性脂肪は肝臓で合成されるため、肝臓に何らかの異常があって機能低下を起こしていると、中性脂肪の合成が滞って中性脂肪が低くなることがあります。肝臓が機能低下している状態が慢性化すると肝硬変や肝臓がんに繋がることもあると言われています。

低中性脂肪血症

中性脂肪の値が基準値よりも著しく低く、29mg/dL以下である場合には低中性脂肪血症と診断されることになります。ただ、診断の際は中性脂肪値だけではなく、その他の検査項目も鑑みて判断されることになりますので、「再検査」の指示がなされていなければ問題ありません。

低中性脂肪血症とは、血中に流れる脂肪(脂溶性ビタミン類)などが極度に欠乏している状態のことを言います。脂溶性ビタミンには、細胞の活性化や粘膜保護などの働きがあることに加え、欠乏すると動機や息切れ、めまいやふらつき、慢性的なだるさ、偏頭痛、動脈硬化などの症状を生じます。

甲状腺機能亢進症

甲状腺機能亢進症になると、甲状腺ホルモンの分泌が亢進します。すると新陳代謝が異常に高まるため、エネルギー消費量が急増し、それに伴って食欲も増加します。ただ、甲状腺機能亢進症では、いくら食べても消費カロリー量に摂取カロリー量が追いつかず、どんどん痩せていってしまいます。

そのため、中性脂肪を蓄積する余裕がなくなり、体の中性脂肪がなくなってしまうのです。甲状腺機能亢進症になると、動機や息切れ、微熱や多汗、手や指の震え、精神的症状(不安感、集中力低下)といった症状が見られるようになります。

甲状腺機能亢進症になると、外見上も変化していきます(目が飛び出たようになるなど)ので、気になる症状がある方は、早めに病院を受診して検査を受けるようにしてくださいね。

中性脂肪の下げる方法、減らし方

適度な運動

運動は大きく2種類に分けることが出来、蓄積している中性脂肪を消費する有酸素運動と、そもそも中性脂肪が溜まらない体を作る無酸素運動があります。

理想的な運動は、まず無酸素運動で筋肉量を増やして体の新陳代謝を向上させ、有酸素運動で脂肪を燃やすことです。ですが、難しく考えてしまうと運動をやる気がなくなってしまいますので、まずは手軽に行えるウォーキングから始めてみてください。

ウォーキングは特別な道具も入りませんし、運動の経験がなくても簡単に行うことが出来ますよね。脂肪を効率的に燃やすためには、息が上がらない程度のペースで30分程度ウォーキングすることがオススメです。

休憩もせずに長時間続けてしまうと呼吸のペースが乱れて脂肪の燃焼が滞りますし、サウナスーツなどで体温を上げすぎると脂肪分解酵素の働きが低下して脂肪燃焼効果が低下します。また、水分不足も脂肪燃焼を妨げますので、自分のペースでしっかりと水分補給をしながら行うようにしてください。

なかなか継続して行えないという方は、日記などに運動の記録をつけていくとモチベーションが上がって継続しやすくなりますから、ぜひ試してみてくださいね。

お酒を控える

よく「お酒ばかり飲んでるから、お腹に贅肉がつくんだ」と言われますが、実はアルコール自体は中性脂肪にはなりません。ただ、アルコールは肝臓で優先的に分解されるため、毎日アルコールをたくさん摂取していると肝臓が脂肪酸(中性脂肪の前身)を分解することが出来なくなって、中性脂肪が蓄積する原因を作ってしまうのです。

脂肪酸が分解されずに蓄積されるようになると、脂肪酸から中性脂肪の合成を促進する酵素が活性化します。すると、中性脂肪の合成も活性化されてしまうため中性脂肪が増えてしまうということになります。

お酒は適度な量であれば、体に良い影響を与えることが分かっています。ぜひ適切な飲酒量を守って、お酒を楽しむようにしてくださいね。

食事

出典: http://www.recipe-blog.jp/profile/252/recipe/270484
いわしのさばき方 大名おろし
食生活は中性脂肪に大きな影響を与える要素です。普段から脂肪分や糖質の多い食品を過剰に摂取しているようであれば、それらの量を減らしたり、摂取をやめるようにしましょう。

また、イワシなどの青魚に含まれるEPAには、中性脂肪を低下させる働きがあることがわかっています。EPAは肝機能を向上させるため、脂肪の排除を活性化させてくれると言われています。

EPAを効率良く摂取するには、生で食べるのがオススメです。煮たり焼いたりすると、脂分にEPAが溶け出してなくなってしまいますので、注意するようにしてくださいね。

まとめ

中性脂肪は低ければ低いほど良い、と考えてしまいがちですが、実は低すぎても体に悪影響を与えます。中性脂肪は高過ぎても低過ぎても体に良くありません。きちんとバランスのとれた食事や適度な運動習慣を心がけるようにして、中性脂肪を基準値内にキープするようにしてくださいね。

また、自分では思い当たる節がないのに中性脂肪の値が高かったり低かったりする場合は、何らかの異常が原因の場合もあります。健康診断の結果に「再検査」の指示があったら、必ず病院を受診して再検査を受けるようにしてください。

もちろん遺伝により中性脂肪の値に異常が出ていることもありますので、まずは両親などに心当たりがないか尋ねてみても良いですね。