中性脂肪の値が正常でない原因とは!喫煙で高くなる?低い原因はダイエットによる栄養失調?生活習慣で見直すことは?

健康診断で中性脂肪値が正常ではなかった、そんな経験ありませんか?中性脂肪値の異常は高いばかりではなく、低いことが問題の場合もあります。今回は、中性脂肪値の異常がでてしまったときの、その原因を探ってみます。

中性脂肪値に異常がでた!どうすればいいの?

健康診断や人間ドックなどの、通常の血液検査では中性脂肪値が検査項目にあります。あなたの中性脂肪値は正常ですか?正常値がどれくらいかご存知ですか。中性脂肪値は高すぎても、低すぎても、どちらも問題です。まずは、中性脂肪値の目安と、主な中性脂肪値異常の原因をみてみましょう。

中性脂肪値と中性脂肪値異常の原因

中性脂肪とは

中性脂肪というのは、体内にある脂肪の一種です。砂糖などの糖質(炭水化物)、動物性脂肪を主な原料として肝臓でつくられます。食事で糖質や脂肪を多く摂りすぎたり、使われずに体内に残ったエネルギーは、皮下脂肪や内臓脂肪として蓄えられますが、その大部分がこの中性脂肪です。

中性脂肪=悪役のように思われてしまいますが、決してそうではないのです。中性脂肪も身体に必要なものなのです。中性脂肪の役割は、第一は身体を動かすエネルギー源となることです。エネルギー源としてまず使われるのは、血液中の糖分が使われ、糖分がなくなると次に中性脂肪が使われます。

これ以外にも、中性脂肪には外気から身体を守る働きや、体温を一定に保つ働き、骨や内臓を守るクッションとしての働きがあります。中性脂肪は人間の身体にとって必要不可欠なものなのです。

中性脂肪の基準値

中性脂肪の正常値は30 ~149mg/dlです。29 mg/dl以下では低すぎ、150 mg/dl以上では高すぎることになります。おおよその目安は下記の通りです。

・29mg/dl以下:低中性脂肪血症
・30 ~149mg/dl:正常
・150~299mg/dl:軽度高中性脂肪血症
・300~749mg/dl:中等度高中性脂肪血症
・750mg/dl以上:高度高中性脂肪血症

中性脂肪値異常の主な原因

中性脂肪が高い場合も、低い場合も、主な原因は生活習慣によるものと言われています。中性脂肪が高い場合と、低い場合の、それぞれの場合についての詳細は、次のセクションで詳しくみていきます。どちらも、生活習慣の影響によるものが大きいので、改善が可能です。

遺伝や病気であることも

食事などの生活習慣の影響は7割、遺伝的原因が3割と言われています。遺伝で中性脂肪が高いという場合は、代謝に先天的な異常があることが多いとも言われています。しかし、遺伝だから諦めるしかないのかというと、決してそうではありません。

食事などの生活習慣の部分を改善することによって、中性脂肪値異常を改善することができます。また、病気が原因である場合もあります。ことに、中性脂肪値が異常に低い場合は要注意です。異常値が出てしまった場合には、しっかりその原因を特定しましょう。

中性脂肪値が高い原因・6つ

まずは、中性脂肪値が高い場合の問題と原因を考えてみましょう。中性脂肪が必要以上に体内に入ると、その過剰分が皮下脂肪や肝臓、血液にどんどん蓄積されていきます。

いずれの場合も、適度の蓄積であれば、体内のエネルギーとして使われるため問題はありませんが、その量が過剰になると、肥満や脂肪肝、動脈硬化などへ、つながってしまします。

こんな状態があまりに長い間に渡って、長年に渡って中性脂肪が蓄積されていくと、肝硬変になってしまったり、心筋梗塞のような心疾患、脳梗塞のような脳血管障害の起こす引き金になってしまいます。

現代の日本人のこれらの病気にかかっている人の多くは、コレステロール値以上に、中性脂肪値の方が高い傾向にあるそうです。中性脂肪値の異常には注意しなければなりません。

1.過食

まず、原因の一番に挙げられるのは過食です。過剰に摂取され砂糖などの糖質(炭水化物)や動物性脂肪は、肝臓で中性脂肪として蓄積され、過食は中性脂肪値が異常に高い状態をもたらすようになります。

2.アルコール

「飲酒が中性脂肪の原因だ」と言われることがしばしばありますが、アルコール自体は、中性脂肪にはなりません。肝臓で分解されるアルコールは、肝臓がアルコール分解を優先するために、肝臓の脂肪酸を分解する力を奪ってしまうのです。

中性脂肪を分解する、リポ蛋白リパーゼという酵素の働きを低下させてしまいます。そして、中性脂肪の原料となるで、ある脂肪酸の蓄積を起こします。

脂肪酸の蓄積が起こるのと同時に、脂肪酸から中性脂肪の合成を促進する酵素が働きだすので、中性脂肪の合成が促進してしまい、アルコールの摂取、つまり飲酒で中性脂肪が増える、ということになってしまいます。

また、飲酒をするときに、つまみなど、たくさん食べ物を食べてしまうことも多いことも、中性脂肪値の増加を誘発してしまいます。

3.運動不足

中々運動ができないものですが、この運動不足が中性脂肪値を高くしてしまう大きな原因です。摂取した糖質(炭水化物)や脂質でエネルギー化されないものが、中性脂肪として蓄積していきます。運動不足は、エネルギー消費の低下をもたらし、中性脂肪が増えていく結果となってしまいます。

また、運動をすると、リポ蛋白リパーゼの働きを活性化することができるのですが、運動不足ではこのリポ蛋白リパーゼが効率的に働くことができません。リポ蛋白リパーゼというのは、中性脂肪を分解する酵素です。リポ蛋白リパーゼの働きを活性化すると、中性脂肪を減らすことができます。

運動不足→リポ蛋白リパーゼがあまり働かない→中性脂肪の増加、という関係になります。蓄積した中性脂肪は肥満のもととなり、生活習慣病の根源になってしまいます。

4.喫煙

タバコに含まれるニコチンが、交感神経を刺激し脂肪を増やすホルモンの分泌を促進し、脂肪組織からの「遊離脂肪酸」の放出を増大させます。「遊離脂肪酸」というのは、中性脂肪の元となる物質です。

また、喫煙により、中性脂肪を増加させるだけでなく、総コレステロール,LDLコレステロール(悪玉コレステロール)も増加させ、 HDLコレステロール(善玉コレステロール)は低下させてしまいます。

5.ストレス

ストレスも、中性脂肪を上げる原因となるのをご存知だったでしょうか。そこには、自律神経が関わっています。ストレスを感じるとホルモンバランスが崩れ、副腎皮質ホルモンが多く分泌されます。多量の副腎皮質ホルモンは、血液中に中性脂肪の元となる物質の一つ「遊離脂肪酸」が発生させます。

その結果、中性脂肪の合成量が増えてしまうということです。また、ストレスは、過剰な飲酒や過食などをもたらすことも多いものです。それらもまた、中性脂肪値を高くする原因です。

6.遺伝

親からの遺伝も中性脂肪を高くする要因の一つです。代謝が正常に行えない体質を親から受け継いでしまい、それにより他の人よりも中性脂肪が高くなることがあるということです。長年、家族とは食生活を共にしていますので、似た体質になりやすいという点もあります。

しかし、中性脂肪値の遺伝の影響力はよく3割と言われます。7割は生活習慣の影響と言われますので、生活習慣をあらためれば、十分改善は見込めます。

中性脂肪値が低い原因・2つ

中性脂肪が少なすぎる場合は、どんな問題が起こってくるのでしょうか?一見、健康であるように思えますが、中性脂肪が全くない状態では、人は生きていくことはできないのです。中性脂肪の役割は、大きく分けて三つです。

一つ目はエネルギー源となること。これによって、数日間食事をしなくても、何とか生きていくことができるようになっています。二つ目は体温調節。中性脂肪のエネルギーによって、熱を作り出し、また熱が逃げないようにしてくれます。三つ目は臓器を外部の刺激から守る役割があります。

人体にとって、重要な役割を担っている中性脂肪の値が極端に低すぎてしまうと、次々と体調の不良を起こしてしまうことがあるので、中性脂肪値が異状に低い場合も注意が必要です。

1.栄養欠乏

中性脂肪というのは、食事にとても影響されるものです。通常は、中性脂肪を見るために行う血液検査などは、空腹時に採取されますので、中性脂肪は低めにでます。そのため、血液検査で低値だったからと言っても、食事をすればその際には中性脂肪は一時的に高くなることもあります。

しかし、中性脂肪は栄養状態を示してもいます。ダイエットなどで、栄養の偏った、栄養失調になってしまいそうな食事をしていると、中性脂肪は低値を示します。

無理なダイエットをしていませんか、忙しさのあまり食事が疎かになってしまっていませんか。中性脂肪値の低さは、栄養が欠乏状態であることを示しています。

2.病気

病気が原因で中性脂肪が低値になる場合もあります。この場合も、中性脂肪の値は30mg/dl以下になります。栄養状態が悪くてただ単に中性脂肪が低値になっているのか、病気のために中性脂肪が低値なのか、注意をして判断をするようにしましょう。

中性脂肪が低値になる病気と言うのは、甲状腺の病気や肝機能の低下など、肝臓の病気の可能性があります。肝臓の病気を知るための血液検査などは、健康診断などの、多くの血液検査の項目に含まれています。

そのため、もし肝臓に何かの病気があって中性脂肪が低値を示しているとしたら、血液データの肝臓機能を示す数値に、異常がないか注意してみるようにしましょう。中性脂肪値が異常に低く、肝機能に問題があるような血液検査結果がでてしまった場合は、病気であることを疑ってみましょう。

もう一つの可能性があるのは、甲状腺関係の病気です。甲状腺機能亢進症などの可能性があります。甲状腺機能亢進症という病気は、身体の新陳代謝が活発化するため、中性脂肪やコレステロールが消費され、中性脂肪値は以上に低い値が示されます。

以前、やせ薬の中に牛・豚などの甲状腺ホルモンが含まれており、体重は減ったが、全身の倦怠感や動悸などが生じたなどのトラブルが起こってしまいました。これは外因性甲状腺中毒症と呼ばれるものです。この場合も、中性脂肪値は異常に低くなります。

中性脂肪値異常対策ポイント!

治療と推奨される対処法

もう一度、中性脂肪値の検査結果の基準値の目安をみてみましょう。そして、数値別に推奨される対処法をみてみます。正常な値は30~149mg/dlです。完全な異常値が出てしまった場合は、病院へ行くようにしましょう。ある程度増えてしまった中性脂肪値は、薬物治療が必要になってきます。
29mg/dl以下:低中性脂肪血症
異常に低い値です。原因となる病気の有無を調べるようにしましょう。
150~299mg/dl:軽度高中性脂肪血症
正常値と異常値の境界線です。食事療法や運動療法をはじめて、中性脂肪値を下げるよう努力しましょう。
300~749mg/dl:中等度高中性脂肪血症
完全に異常値を示しています。食事療法、運動療法を確実に行うようにしましょう。他の危険因子があれば薬物療法をすすめられるようです。500mg/dl以上の人は禁酒ということです。
750mg/dl以上:高度高中性脂肪血症
膵炎の危険性もあるそうです。薬物療法による治療が必要なようです。

生活習慣の見直し

まずは、生活習慣を見直してみましょう。過食を控え、過度の飲酒、禁煙が肝心です。摂取する食べ物をしっかりコントロールして、中性脂肪を下げる食べ物を積極的に摂るようにしましょう。

特に中性脂肪を減らすには、何が有効?

糖質・動物性たんぱく質の摂取を控える
過剰なエネルギー摂取を抑えるため、糖質(炭水化物)や動物性たんぱく質の摂取を控えるようにしましょう。牛乳やチーズなどの乳製品も中性脂肪を高めてしまいます。気をつけましょう
青魚を摂取するようにする
サバやイワシなどの青魚に含まれるDHAやEPAには、中性脂肪の代謝促進、中性脂肪の合成を抑制してくれます。積極的に摂取していきたい食材です。
野菜や大豆、海藻類など食物繊維の多い食品を摂取する
野菜や海藻類など食物繊維が多い食品は、中性脂肪値を低くしてくれます。また、野菜や海藻類はカロリーも低く、食事のはじめにたくさん摂るようにすると、過食を防ぐことができます。食物繊維の摂取目標量は、男性(18~49歳)は19g以上/日、女性(18~49歳)は17g以上/日です。
適度な運動を心がける
適度な運動は、エネルギーを消費し、脂肪を分解する酵素を活性化します。有酸素運動が効果的なようです。有酸素運動は長時間に渡って行う運動で、ウォーキングやジョギング、水泳、サイクリングなどがあります。適度な運動を心がけるようにしましょう。

まとめ

中性脂肪値に影響を与えるものは、生活習慣が7割、遺伝が3割とのことです。ご家族に中性脂肪が高かったり、生活習慣病になってる人がいる場合は、自分自身も可能性が高いことを意味します。中性脂肪値が正常な範囲内になるよう心がけましょう。

遺伝の可能性がある場合も、生活習慣を改めることで改善は可能です。過食を控え、栄養のバランスを考えながら、野菜や海藻、青魚など、身体によい食材をたくさん摂るようにしましょう。