メタボの判定基準はどこ?その根拠は?男性85cm女性90cmは厳しすぎる?基準のおかしい点3つと解消法を紹介

最近お腹が出てきて、自分が「メタボリックシンドローム」ではないかと、気にされている人はいませんか?メタボは、腹囲を測定することによって判定することが出来ます。今回は正しい腹囲の測定方法や、その判定基準及び指摘されている問題点から、メタボの解消方法を紹介します。

メタボとは

「メタボリックシンドローム」とは、内蔵脂肪が蓄積することによる「内蔵脂肪型肥満」に、生活習慣病である「高血圧」、「高血糖」、「脂質異常症」(血液中の脂質が高いこと)の内、2つ以上が重なって起こっている状態を言います。

これらの生活習慣病は、それぞれ単独でも動脈硬化のリスクを高めてしまいますが、それらが重なりあうことで、さらに進行を早めてしまいます。動脈硬化が進行すると血液がスムーズに流れなくなり、酸素や栄養が行き届かなくなった結果、脳梗塞や心筋梗塞などを引き起こす原因となるため、より早期に把握しようという試みが、メタボ検診などで行われてきました。

メタボを判定する腹囲測定方法

へその位置で測定

メタボリックシンドロームを判定する基準は、国ごとに異なりますが、日本では腹囲のサイズとその他の検査データを基に診断します。腹囲の測定はメジャー1本で出来ますが、服の上から測定してしまったり、測定する位置が間違っていると、正しい測定値が得られません。

一般的な腹囲の測定を行う場合の位置と、メタボリックシンドロームを判定する場合の測定位置では、ズレがある場合がありますので、正確に行うために正しい測定方法を説明します。

腹囲とは、ズボンやスカートなどを履く場合のウエストの位置ではありません。一般的にウエストとは、腹部の一番細い部分を指す事が多いと思いますが、正しい測定位置は、おへその真上になりますので、ウエストではないということに注意しましょう。そのため、おへその真上で測ると、通常のウエストサイズよりも太めになり、女性の場合は3〜7cm多くなることもあります。

正しい腹囲の測定方法
1.両足を揃えて立った姿勢で行います
2.素肌に直接メジャーを当てます
3.メジャーはおへその高さに位置させ、床に対して水平になるように巻きます
4.息を吸った時ではなく、吐いた時の値を読み取ります
5.食後の計測は正常値が測れないので避けます

肋骨と骨盤の間の中心で測定

お腹の脂肪が多くて、おへそが下に垂れ下がってしまっている様な場合は、肋骨の下縁から前上腸骨棘(腰の両側にある骨盤の出っ張り)の間の、中心の高さで測定します。この場合測定位置は、おへその真上ではありませんので注意が必要です。国際的には性別や体格の違いを考慮し、おへその真上ではなく、この測定方法が採用されているようです。

腹囲を正しく測定出来たら、メタボの判断基準に照らし合わせてみましょう。日本では、腹囲が男性では85cm以上、女性では90cm以上で、さらに以下の3項目のいずれか2つに当てはまると、メタボリックシンドロームと判定されます。

1.脂質異常症:高トリグリセリド血症(中性脂肪)が150mg/dL以上、HDLコレステロールが40mg/dL未満
2.高血糖:空腹時の血糖が110mg/dL以上
3.高血圧:最大血圧が130mmHg以上、最小血圧が85mmHg以上

メタボの腹囲の基準

男性85cm

日本が採用しているメタボの判断基準では、男性は腹囲85cm以上とされています。その理由は内蔵脂肪の量に基いており、おへその位置で測定した腹囲経と、CT検査により測定した内蔵脂肪面積との間に、相関関係があるとされているからです。このことから、内臓脂肪面積100cm²に相当する腹囲径として設定されました。

しかし、海外での基準は日本とは異なっており、男性はアメリカでは102cm以上、国際糖尿病連合の基準では欧州人が94cm以上、日本人は90cm以上と設定しており、日本の基準が厳しすぎるという意見もあるようです。

女性90cm

男性より女性の基準が5cm大きいことについては、女性は内蔵脂肪とともに皮下脂肪がつきやすく、男性では、内臓脂肪のみがつきやすいからとされています。ですが、こちらの基準も男性同様に、海外での基準は異なっており、アメリカでは88cm以上、国際糖尿病連合の基準では欧州人が80cm以上、日本人は80cm以上と設定しており、日本の基準は甘めになっているようです。

最近の研究では、女性の腹囲の基準を80cmと厳しく設定する事で、今までの基準では見逃されていた、より多くの心疾患などのリスクを予防出来ると共に、メタボの状態になる可能性が、約3倍にも増えるという研究結果もあるようです。

メタボの腹囲の基準の根拠

皮下脂肪の多さ

一般的に、体格の大きな男性よりも、小さな女性の基準値のほうが高くなっているのは、女性ホルモンの働きにより、女性は男性と比べ脂肪がつきやすいからとされています。女性の場合妊娠・出産という体の特性があり、子を産み育てる事が出来るように、皮下脂肪を蓄えやすくなっています。そのため男性と同じ量の内臓脂肪が蓄積していても、皮下脂肪も多い分だけ腹囲経が大きくなってしまうのです。

骨盤サイズも反映

腹囲を測定する場合には、骨盤の大きさも影響してきます。女性は特に、男性に比べて骨盤が横に大きい形をしています。これも、女性は男性に比べて皮下脂肪が多い理由と同じで、妊娠・出産できるよう女性には産道があるため、骨盤が大きく広がっているのです。骨盤が大きいということは腹囲に直結します。つまり、骨盤が大きい女性は腹囲経も大きくなってしまうのです。

メタボの基準のおかしい点・3つ

1.骨格が反映されていない

これまで腹囲を測定することによる、メタボリックシンドロームの判断方法をご説明してきました。しかし、この腹囲の測定方法には、個人差があると言われる骨格が反映されていない、という問題点があります。

つまり、細い体型の人と肩幅が広くガッチリした体型の人では、骨格の違いにより、骨盤の大きさも違ってくるのです。ガッチリした体型の人は、骨盤も大きいということが言えるでしょう。

正しく腹囲を測定するには、おへその真上で測定する必要がありますが、それはつまり、骨盤の高さで測定するということでもあるのです。一生懸命ダイエットをしてお腹をへこませたとしても、骨盤の大きさが基準値以上ある人の場合には、どんなに努力をしても基準値以下にすることは、不可能ということになってしまうのです。

2.身長が反映されていない

身長も個人差があります。例えば身長185cmで、筋肉質な男性の腹囲が87cmとしても、身長から考えると、なんら太っているわけでもなく、問題ないように思えますが、メタボ基準ではアウトになってしまいます。

一方、特にスポーツをしているわけでもない身長150cmで、腹囲が89cmの女性ではどうでしょうか。数値的にはメタボ基準をクリアしていますが、問題ないとは言えないのではないでしょうか。

現在では単なる腹囲だけでなく、体格を考慮したメタボの診断基準の一つとして、「腹囲÷身長=0.5以上でリスクが高まる」という基準が提唱されており、すでに成長期により体格が大きく変わる、6~15歳の小児におけるメタボの判断基準として用いられているようです。

3.内蔵脂肪の測定方法

腹囲は内蔵脂肪をあらわすものですが、今までにも説明した通り、性別や体格によって測定値は大きく変わってしまいます。内臓脂肪を正確に測定するには、CT検査をする必要がありますが、CT装置はどこにでもあるわけではなく、規模の大きい施設でなければ受けられないため、その代りとして腹囲を測定するのです。

なので、腹囲の基準値が男性であれば85cmですが、84cmであれば問題ないかといえば、そう言えるものではありません。あくまでも腹囲は、内臓脂肪を反映する一つの基準にすぎないわけですから、不確定さがあるということを理解しておきましょう。

メタボ解消法

運動

メタボを解消するには、継続的に運動をすることが重要です。脂肪を落とすには、ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動が効果的ですが、継続して続けるのは難しいですよね。

始めてみたものの、続かなかったという人も多いのではないでしょうか。そんな場合は、小さな目標を設定して心理的ハードルを下げましょう。いきなり「毎日5km走る」という大きな目標を立てるのではなく、「通勤電車では座らずに立つ」「エスカレーターを使わずに階段を使う」など、小さい目標から始めることで、運動するということを「習慣」にしていくことが大切です。

運動をすることで得られる効果は、脂肪燃焼だけでなく、筋肉がつくことによる基礎代謝の維持・向上も期待できます。基礎代謝とは、私達が生きていくために、最低限必要な生命活動に使われるエネルギーで、内蔵を動かしたり体温の維持などに使われていますが、基礎代謝の中でも筋肉が一番エネルギーを消費するのです。

つまり運動をすることで、筋肉量が増えれば基礎代謝も自然とあがり、何もしなくても消費するカロリーが増え太りにくい体になります。最初は効果を実感しにくいかもしれませんが、小さな目標を立ててコツコツ続けていけば、少しづつメタボ解消に近づくことが出来るでしょう。

食事管理

メタボの原因の一つは、食べ過ぎや飲み過ぎによるカロリーの過剰摂取です。脂肪は、食事により摂取したエネルギーが、体内で消費されずに余ったものですから、消費エネルギーを摂取エネルギーが上回れば、その分が脂肪として蓄積されてしまいます。

しかし、だからといって極端に摂取カロリーを抑えるような食事をしてしまうと、脂肪と共に筋肉も減らしてしまいます。基礎代謝の高さは筋肉量に比例しますから、痩せにくい体になってしまいますし、偏った食事では健康に害を及ぼします。

食べ過ぎを防ぐには、早食いをやめ、ゆっくりとよく噛んで食べる事を心がける必要があります。早食いの人は噛む回数が少ないので、満腹中枢が刺激されず中々満腹感を感じられない分、量を食べてしまうのです。

そのため、ひとくちにつき30回噛むことを心がけることで、脳の満腹中枢を刺激し、いつもより少ない量でも、満腹感を感じることができるようになります。特にカロリーが低く、噛みごたえが有る食物繊維を多く含む、野菜や海藻を意識して摂るようにすればより効果的です。

カロリーが高い肉類や揚げ物も食べてはいけないわけではなく、食べる回数を減らし、メニューを和食中心にするなど、バランスの良い食事を心がけましょう。

まとめ

日本で用いられている、メタボリックシンドロームの判定基準のひとつである腹囲については、不確定さがあるということを知っておいたうえで、参考にする必要がありそうです。

メタボリックシンドロームは、放っておくと命に関わる病気を招く危険性があります。さらに一見、そこまで肥満に見えなくても、内蔵脂肪が蓄積した隠れ肥満の可能性もありますから、最近お腹が出てきなたと感じている人は、病院などでメタボ検診を受けることをオススメします。

また、メタボと診断されたとしても、落ち込む必要はありません。メタボは日々の生活習慣を見直すことで予防、改善することができますので、自分の生活習慣を振り返り、食生活と運動習慣を少しづつ改善していくよう心がけていきましょう。