メタボには気をつけて!トマトジュースを飲むのは効果があるの?腹筋などの運動をして筋肉をつけるなどの5つの解消方法とは

「メタボ」という言葉は知っていても、それが実際にはどんなものなのかを知っている人は少ないのではないでしょうか。メタボを単なる「流行語」としてとらえていると大変なことになります。あらゆる生活習慣病のきっかけになるだけでなく、深刻な動脈硬化を起こし、心臓や脳に大きなダメージを及ぼす危険もはるかに高くなります。メタボを正しく理解してその改善に努めましょう。

メタボって?

「メタボ」はお腹の出た中年男性の代名詞のようになって、誰でも知っている流行語になりました。では、いったいメタボとはどういうことなのでしょうか?健康を損なうものとして問題になっているのは、どういう理由からなのでしょうか。

また特定健診とはどういう制度で、なぜメタボ検診には腹囲を測定するのでしょう。もしメタボと診断されたら、どうしたらいいのでしょう。そう考えてみると、私たちはメタボという言葉は知っていてもその内容はよく分かっていません。メタボについて、基本的な知識をしっかりと理解して、これからの健康生活に役立てましょう。

メタボってそもそもなに?

メタボリックシンドローム

メタボリックシンドロームの「メタボリック」とは「新陳代謝」を意味する英語で「シンドローム」とは「同時にさまざまな症状が起こる病気」のことを指します。つまりメタボリックシンドロームとは、糖や糖質、脂質の異常によって、さまざまな体の異常や病気が起こることです。

メタボには「内臓脂肪型肥満」がベースにあり、さらに動脈硬化の引き金となる高脂血症、高血圧、高血糖という3項目のうち、2つ以上の危険因子を併せ持つとメタボリックシンドロームと判定されます。

セルフチェックとしては
□肥満しているのに仰向けに寝ても、お腹の贅肉が動かない
□去年のズボンが、ウエストがきつくて着られなくなった
□最高血圧が130以上、または最低血圧が85以上ある
□近親者に糖尿病の人がいる
□肉の脂身やフライなどの脂っこい食べ物や、味の濃いものが好き
□お酒とたばこはどうしても止められない。
これらに当てはまる項目が3つ以上あれば要注意です。5個以上あれば検診を受けるようにしましょう

内臓脂肪型肥満

メタボのベースにあるのが「内臓脂肪型肥満」です、体脂肪は体のどの部分につくかによって「皮下脂肪」と「内臓脂肪」の2つのタイプに分かれます。皮膚の下につく「皮下脂肪型肥満」とお腹の中にある内臓のまわりに脂肪がたまる「内臓脂肪型肥満」です。

おなかがポコンと出ていても、おへそのあたりの贅肉が指でつまめるようなら、それは皮下脂肪型肥満です。お腹が出ていて、しかもパンパンに張っていて贅肉が指でつまめないというのが内臓脂肪型肥満の特徴です。

過剰な脂肪は蓄積場所にかかわりなく健康には良くないのですが、特に内臓脂肪型肥満が問題視されるのは、その場所と量が皮下脂肪の蓄積よりも多くの健康被害をもたらすからです。

内臓の執念い脂肪が蓄積され、それが過剰になると血中脂質に異常が起きたり、血圧が高くなったり、血糖が増えたりします。体の中のさまざまなバランスが崩れてしまうのです。

診断基準は?

メタボを診断する特定健診は自覚症状があらわれにくい危険因子を見つけるために行います。特にチェックしたい項目は「腹囲」「「血圧」「血糖」「血中脂質」です。

「腹囲」は特に内臓脂肪型肥満の判定をする検査です。男性は85㎝以上、女性は90㎝以上あると内臓脂肪型肥満と判定されます。

「血圧」は上が130㎜Hg以上、下が85㎜Hg以上であれば高血圧です。血圧が高いということは、血液を全身に送りだす心臓が、正常よりも強い力で働かなくてはいけないためオーバーワークになり、放置しておくと動脈硬化を進行させます。

「血糖」は空腹時血糖100㎎/dl以上あれば、糖尿病のリスクが高いといえます。血糖値は食後に上昇してインスリンが働くとゆっくりと下降します。しかし、インスリンの働きが悪かったり分泌が少なかったりすると血糖値が高い状態が続き、糖尿病を発症します。

「血中脂質」はいわゆるコレステロールの検査です。HDLは血液の中の余分なコレステロールを肝臓に戻す働きがあります。これを善玉コレステロールと呼びますが、この量が少ないと血管にコレステロールがたまり、動脈硬化の引き金になります。基準値は40mgdl以上です。

肥満の物差しBMIって?

身長と体重の数値がわかっていればすぐに肥満の程度を判定できるのが「BMI指数」です。メタボの予防、早期発見、早期治療を目的に始まった特定健診制度でも、このBMI指数がひとつの判定として用いられています。

計算方式としては「体重÷身長の2乗」となります。その判定基準として理想体重はBMI22で、普通体重がBMI18.5~25となっており、それ以上は肥満、BMI30以上になると高度肥満と診断されます。

メタボのままだとどうなるの?

糖尿病

血糖をコントロールするインスリンの働きが悪くなる状態を「インスリン抵抗性」といいます。メタボの状態を放置しておくと、このインスリン抵抗性が生じやすくなります。

肥満、とりわけ内臓脂肪が蓄積すると、インスリン抵抗性を改善したり、動脈硬化を予防したりする善玉物質である「アディポネクチン」の分泌が低下してしまうからです。

インスリン抵抗性があると、血液中にインスリンが十分あるのに血糖値が下がりません。すると脾臓では多くのインスリンを分泌しようとするので、血液中のインスリン濃度が異常に高くなります。そしてこの状態が長く続くと、インスリン分泌細胞が疲れてしまい糖尿病となってしまいます。

高血圧症

肥満になると体が大きくなるので、血液量も増えています。心臓が1回に押し出そうとする血液の量が血流量で、これが多くなると血圧が上がります。

血液を全身に巡らせるのは心臓の働きで、心臓がポンプのような役割をして押し出します。肥満して前よりも大きくなった体のすみずみまで酸素や血液を送るには、前よりももっと大きな力で心臓が血液を押し出さなくてはなりません。心臓の力が強くなれば、血管の内壁にかかる血液の圧力も大きくなり、それで血圧が上がります。

高血圧の状態が続くと、心臓か過重労働に対応しようと心臓を動かす筋肉、心筋を増やし、大きくなります。これが心臓肥大で、悪化する都心不全になることもあります。

また血管が高い圧力にさらされることで、動脈硬化を起こします。この動脈硬化は全身に残り、血管の中が狭くなって血液が流れにくくなります。こうして血流の滞ったところに血の塊ができて血管が詰まったり、血流が止まったりするということにもなります。

多くの場合、いきなり血圧が急上昇するということはありません。ジワジワト少しずつ上がっていきます。しかもこれといって症状も出ませんから、なかなか自覚しにくいのです。

動脈硬化

動脈硬化という病名はありません。単なる血管の状態を示す言葉です。しかしさまざまな症状を引き起こす危険な状態です。メタボは動脈硬化の危険因子を複合的に抱えた状態で、動脈硬化は血管壁が固く厚くなり、内腔が狭くなって血液が通りにくくなった状態です。

動脈硬化は隠れ肥満と同じように、見た目にはわかりません。外見は若々しくても血管年齢は老齢化していることも少なくありません。こうした血管の老朽化である動脈硬化を促進しているのがメタボが原因となって発症する「糖尿病」「高血圧」「脂質異常症」です。

動脈硬化は「気づきにくい」ことが最も恐れなくてはならない点です。自覚症状が出たときはすでに重症化している人も多く「サイレントキラー」といわれる理由でもあります。

虚血性心疾患

心筋梗塞や狭心症などのことをまとめて虚血性心疾患と呼びますが、日本人の死亡原因の第2位がこの虚血性心疾患です。メタボだと狭心症と心筋梗塞の発症リスクが36倍になるという報告もあります。

虚血性心疾患は、冠動脈の動脈硬化に起因しています。冠動脈は他の臓器と同じように酸素と栄養素を心臓に送る役割をしています。健康な状態であれば、冠動脈の内腔を血液がスムーズに流れます。しかし食べ過ぎや運動不足などでメタボになると、悪玉コレステロールが血液中に増え、冠動脈を細くしてしまいます。

冠動脈が細くなって、血流が低下すると、心筋に十分な酸素と栄養が届きません。すると心筋の働きが低下して、胸の痛みを感じたりします。これが狭心症です。さらに血栓が冠動脈を完全にふさいでしまうと、心筋には全く酸素が届かなくなるので壊死してしまいます。この状態が心筋梗塞です。これまでに体験したことのない胸の痛みを感じて、しかも冷や汗を伴うというのが心筋梗塞の発作の特徴的症状です。

脳卒中

脳卒中は、脳の血管で動脈硬化が起こることです。脳卒中は、脳の血管が詰まったり、破れたりして、その先の細胞に栄養が届かなくなって、細胞が死んでしまう病気です。脳卒中には、血管が破ける脳出血と血管が閉塞する脳梗塞があります。

昔は脳出血が多かったのですが、今は脳梗塞が多くなっています。脳出血は栄養不足で血管が破れやすかったうえに、高血圧がコントロールされていないことが原因でした。しかし、食生活が豊かになりメタボ体質になると、脂質異常症や糖尿病などによる、ドロドロ血液と動脈硬化によって血管が詰まる脳梗塞が起こりやすくなったと考えられています。

高尿酸血症

尿酸は、体の老廃物の一種で、プリン体から作られます。新陳代謝に伴い古い細胞が壊れると、このプリン体が肝臓で代謝され尿酸が作られます。食品の中にも含まれますが、尿酸の8割は体内のプリン体から作られています。

尿酸値の高くなる人の大半は、尿酸の排泄が悪い体質になっているからです。その体質は飲酒や、過食による肥満、運動不足によってメタボになることで発症します。

内臓脂肪が増えるとインスリン抵抗性が生じ、尿酸の排泄が低下します。尿酸値が高いと起こる代表的な症状として「痛風」があります。尿酸は血液に溶けますが、多くなりすぎると溶けきれず結晶となり、関節や腎臓に沈着します。関節にたまった尿酸は、壁にこびりつきます。運動や尿酸値の変動などで、はがれ落ちて関節の中に入ると白血球が異物と認識して攻撃を仕掛けてくるため炎症が起こり、関節が腫れて熱を持ちます。これが「痛風発作」といわれているもので、風が吹くだけでも痛いといわれているように激痛となります。

メタボの改善、解消方法

生活習慣の見直し

メタボの最大の原因は肥満です。肥満の原因は摂取エネルギーの過剰です。食べて得るエネルギーよりも、消費するエネルギーが少なければ、余分なエネルギーが体内で中性脂肪に作り変えられて脂肪細胞に蓄積されます。これは飢餓に備えたしくみですが、飽食の現代ではエネルギー不足になることはあり得ないので、肥満になってしまいます。

車社会になって、いろいろなものが便利に生活に慣れてしまい、よほど意識しない限り慢性的運動不足になってしまいます。太っているからといって運動しなければ、ますますメタボは進んでしまいます。食事制限とともに運動も同時に行いましょう。

喫煙習慣のある人も注意しなくてはなりません。タバコを吸うとニコチンの作用で血管が収縮して血圧が上がり、その状態が続くと心臓に負担がかかります。タバコはメタボの独立した危険因子になることが、最近の研究で明らかになっています。メタボの予防と改善には、禁煙は不可欠です。

食事の改善

メタボになりやすい食習慣は「遅い夕食」「朝食抜き」「外食が多い」「間食が多い」、そして食べ方としては「早食い」「ドカ食い」です。こうした食習慣を変えていかなくてはなりません。

またカロリーばかり気にし過ぎて、栄養バランスへの配慮が欠けていることも肥満の原因になります。規則正しい食習慣を心がけ、栄養バランスのよい食事で、適切なエネルギー摂取を心がけることがメタボから脱出する基本になります。

トマトジュースも効果的

トマトジュースにはメタボを改善する4つの働きがあります。ひとつめは血中の脂肪の増加を抑える働きがること。二つめはエネルギー代謝をよくして、内臓脂肪を燃焼させる効果。三つめはインスリンの働きを助けて血糖値を低下させること。そして最後にトマトに含まれるカリウムによって塩分が排出され、血圧を下げる働きがあることです。

トマトはリコピンが豊富に含まれており、活性酸素も抑制します。体にとても良いのですが、効果を発揮するためには1日に5、6個も食べなくてはなりません。その点トマトジュースなら栄養が凝縮されていますし、摂取しやすいのでお勧めです。ただし、塩分が含まれているトマトジュースは、摂りすぎると高血圧の原因にもなるので、できれば無塩のトマトジュースを選ぶようにしましょう。

筋トレ

メタボには筋トレも効果があります。筋力がつくと基礎代謝が増え、消費カロリーもそれに比例して増えていきます。消費カロリーの半分は基礎代謝で、そのうち40%が筋肉により消費されます。筋肉が1㎏増えると基礎代謝は100~200キロカロリー増加するといわれています。

スクワットや腕立て伏せなどいずれも大きな筋肉で、継続することで効果が期待できます。これに腹筋を加えることでポッコリお腹を解消することができます。

筋肉は成長ホルモンが分泌されている間に発達します。このホルモンは筋トレ直後からの1時間、寝ついてからの30分から3時間の間に分泌されるので、この時間はゴールデンタイムと呼ばれています。そのため食後1~2時間くらいしてから筋トレを行うと効果が上がります。

有酸素運動

ウォーキングなどのように長時間続けられる運動を有酸素運動といいますが、このような運動では最初の十数分は筋肉の中のグリコーゲンという糖質がエネルギー源として使われます。そしてそれ以後は脂肪として蓄えられている脂質も使われるようになります。筋トレなどの激しい運動の場合、使われるのは糖質が主体で、脂肪はあまり消費されません。

また有酸素運動をすることでインスリン抵抗性がよくなります。インスリンは、ぶどう糖を筋肉などの細胞に送り込む働きをしています、しかしこれには受け取る側の細胞にインスリン受容体が必要です。このシステムにトラブルが生じてブドウ糖の受け渡しがうまくできなくなることをインスリン抵抗性といいますが、有酸素運動をすることで改善されます。インスリン受容体の数が増えたり、働きが活発になるので、血中のブドウ糖もどんどん筋肉に取り込まれ、エネルギーとして使われます。

まとめ

メタボが怖い理由は、何の前触れもなく血管をむしばみ、心筋梗塞や脳梗塞を起こして、初めて事の重大さに気づくという点です。しかもその予備軍を含めると40歳以上の男性の半数、女性の2割で2000万人以上いるとされています。

居酒屋でお父さんたちが「いや~最近腹が出てきてさ」などと話をしていることをよく耳にしますが、これは笑い事ではありません。すぐにでもそのお腹を何とかしなければ、明日にでも生活習慣病を発症するかもしれないのです。

ではすぐにでもダイエットをと考えてしまいますが、過度の食事制限といった無理なダイエットは長続きしませんしリバウンドでかえって太ってしまう危険性もあります。1か月で1㎏を目標にダイエットをして、1年に3㎝のウエストサイズのダウンをするようにメタボからの脱出を計画的に行うようにしましょう。